梓20周年記念山行その1羅臼岳

知床の旅・オホーツク海を望みつつ... 亀村 通



右の峰が羅臼頂上
梓20周年記念山行その1羅臼岳
2000年07月01日
大森・橋元・鈴木・高橋・中村・田中・亀村

6月30日8時50分羽田発のJAL537便は、定刻を少し遅れ11時ちょっと前に女満別空港に
ついた。直前まで北海道には珍しい梅雨前線を心配したが、空港に降り立つと東京よ
りも厳しい直射日光の暑さだった。レンタカーのマツダデミオ2台に分乗、網走に向か
う。ここで昼食を摂り、スーパーで食料を調達し知床半島半ばの町ウトロへ出発。網
走から約75Kmドライブだ。途中原生花園やオシンコシンの滝に寄り道をしながら、16
時前には宿泊先ウトロの知床自然村に到着した。オホーツクを見渡せる小高い丘の中
腹に広々とした幕営サイト、緑の絨毯にクローバーの白い花がそこここに咲き乱れる。
比較的新しい4棟のバンガローのうち2棟が今夜から2泊の宿だ。

しれとこ自然の村
今夜の宴会は久しぶりにおおかたのメンバーがそろった。冨山、後藤長老を筆頭に、
20周年記念にふさわしく創設来の顔ぶれを中心に楽しい宴が始まる。一升瓶も早々
と3本目に突入したものの、始まりが早い分お開きも早く9時過ぎには一次会終了。
あとはバンガローに移動しての、有志ウィスキーの二次会となる。
翌7月1日。既に明るい4時半には朝食のニラうどんと紅茶の準備ができた。冨山さ
んと鈴木さんが皆を起こして回る。前日の早寝のためか酒量が至らなかったためか
ともかく皆さわやかな寝覚めのようである。6時前には知床自然村を出発。まずは
本日サポート隊で知床観光の冨山後藤両長老を知床五湖に送り届ける。
取って返して、登り口の岩尾別温泉に向かう。ほどなく到着。鉄筋の温泉旅館のす
ぐ裏にログハウス風の木下小屋がある。ここに車を駐車し小屋の横から歩き始める。
最初の1時間は樹林帯の急登だ。ゴゼンタチバナやマイズルソウなどの花たちが唯
一心を和ませる。いくつかの団体と前後しながら登る。そのうち振り返ると木々の
隙間からオホーツク海が望まれるようになり、周りの木々はいかにも風雪に耐え忍
んだ風のダケカンバが多くなり、見通しが良好になる。しかし今日は風がない。北
海道の湿度の少ない空気でも汗が首周りや腕にまとわりつく。ヒグマ注意の看板な
どがあり、いつもより少し声高に話し合ったり、笛を吹いてみたり、ほかの多くの
パーティーも大体が鈴を鳴らしながら行くので熊こそ充分に注意しているであろう
が、ともかくそんな風にしながら高度を稼ぐ。極楽平という平坦なダケカンバ林を
過ぎると所々雪渓の小谷を横切りながらのジグザグ登りとなる。とうとう大きな雪
渓の直登になる。転んだらずーっと下まですべり落ちそうな雪渓だが、気温が下が
って気持ちよい。段々と傾斜が急になる。最後のほうは結構慎重に一歩ずつ上り詰
める。雪渓が終わればじきに鞍部に到着。羅臼平という。

羅臼平にて

エゾノツガザクラ
ここからは羅臼岳が間近に見上げられる。ごつごつしたいかにも溶岩ドームと分かる
姿だがなぜか加賀白山の室堂から頂上を望むイメージを髣髴とする。イソツツジやエ
ゾノツガザクラなど様々な花が咲き乱れる溶岩道を最後の登りだ。途中冷たくおいし
い湧き水が小滝となってのどを潤してくれる。はぁはぁとラストスパートをかけ羅臼
平らから小一時間で頂上に立つことができた。

山頂にて

雪渓を下る
岩場の頂上で、雪渓から冷やしてきたビールで乾杯。すっかり定番のワインとチーズ
に移るがなんと白ワインを忘れ、せっかくの有終の美が飾れなかったのが唯一の心残
りながらこれもまた楽しい語り草となることであろう。
                               以上

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