梓20周年記念山行その2斜里岳

チングルマの群落が見事... 中村 貞子



チングルマの群落
梓20周年記念山行その2斜里岳
7月2日(日)斜里岳
今日も朝4時半起きである。この山行は梓としては毎日異例の早起きである。
羅臼も斜里も標高としては1500?1600位なのだけれど、標高差が大きいので、
歩行時間が長い。特に近年の梓は地図のコースタイム通りどころか少し多めにかかる
傾向にあるので油断はならない。斜里のコースタイムは登り3時間強、下り2時間半
ほどである。
頂上でのつまみ担当の私は羅臼にいくときアンチョビやレバーペーストなどを忘れ、
食い物が少ないとさんざん非難されたので、今日は念入りに荷物を点検する。
東京から買っていったチーズは思いがけない暑さですっかり原形をとどめていなかっ
たが食べられないほどではなく、羅臼でも腹の足しにはなった。
束になったままのソーメンの入った朝食を済ませ、テント場を6時半過ぎに出発。
清里という登り口までたどりつくのに途中少し迷い、斜里岳登山口にたどりついたが、
そこから登り口はさらに8キロほど奥である。これが歩きならすっかりいやになると
ころである。
登り口には8時前に到着。細い砂利道を進んでいくと、まだ清岳荘まで行かないうち
から細い道に車が連なっている。そういえば、きょうは斜里の開山日であった。羅臼
も今日が開山日といっていたっけ。車を少し手前でやっと止めて歩くと小屋の前は黒
山の人だかり。地元の小学生や、きのう羅臼であったお絵かきの団体などがひしめい
ている。この後ろになったら大変と、早速歩き出す。
きょうは富山、後藤の両御大も参加し、フルメンバーで出発。

このあたりで水を補給
水量の豊富な一の沢沿いの登山道は渡渉をくりかえす、簡単な沢登りのようなコース
である。赤い印はきちんとついているので、道を迷うようなことはないが、沢に慣れ
ていないとちょっと大変そうで2級の沢くらいという大森さんのご宣託。
40分くらい登ったところで、新道コースと別れ旧道の沢の中を進む。次々と現れる
滝を楽しみながらいけるので、昨日の羅臼の道よりは退屈しない。そんなに危ないと
ころもないが、所々に鎖などがかかっている。小学生の団体には無理なコースであろ
う。

なかなか水量が多い
竜神の滝を最後に上二股で新道コースと再び合流。富山さんもここまでがんばってき
たが、とりあえずはここでリタイヤとなる。

まだ残雪がある
そこからはガレ場の登り30分ほどでコルにでると、左手に斜里岳の溶岩ドームがそ
びえてみえる。ここの30分の登りはこたえるのだが、急に花が多くなる。ことにチ
ングルマの群落が見事であった。頂上には11時過ぎに到着。
途中また橋元さんがザックに雪を入れ、ビールを冷やして担ぎ上げており、ついた順
からビールを飲めるというので、ちょいとがんばる。昨日の羅臼といい、今日の斜里
といい、こんなにうまいビールを飲んだのは久しぶりである。全員ご満悦で、感謝!
しかし、あらかた冷え冷えのビールを楽しんだのに、後藤さんがいつまでたってもこ
ない。善さんが途中コールするとコルから声が聞こえるがそこから少しも上に上がっ
てこないとのこと。

ミヤマオダマキ
今日はエサが豊富なので、意気あがるのだが、善さんが白ワインを忘れてきたのが発
覚してまたも大ひんしゅく。あいにくきょうは雲が薄く覆っていて見晴らしがよくな
いし、しばらく休んでからどうしても後藤さんがこないようなので、橋元、中村両名
がご機嫌伺い隊として冷たいビールとつまみをもって、コルまで下山。
途中小学生隊がやっと登ってきたのと出会う。コルに降りるともうついていけない親
たちがあちこちに陣取っていてすぐには後藤さんが見つからないほどである。
しばらくすると梓は全員が降りてきたので、コルでまた少しやすみ、1時過ぎに下山
にかかる。
上二股で富山さんと再会。なんでも富山さんもコルまでいってみたそうで、後藤さん
を呼ぶ善さんのコールを聞いて、なんと梓と似たコールであるかと思ったそうな。知
ってれば後藤さんとうまく会えたかもしれない。
下りは上二股から新道コースをとるので、普通の山道となる。下二俣まではけっこう
急な下りである。杖をつきつき慎重に下る。ここを登るのもきつそうで、親がばてる
のも無理はない。
やっと沢筋にでるともう小屋も近い。

コースタイム
テント場発6:40 清岳荘登山口8:00 頂上11:00
コル12:40 コル出発13:20 下二俣分岐14:45 登山口着15:20

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