鳴神山脈主峰からの大展望 鳴神山 

−−忙しい午前中山行 斎藤 修

Sat, 15 Jan 2000


鳴神山脈主峰からの大展望 鳴神山 関東平野を一望

 関東平野越しの富士山
 昨夜までの雨もやみ,今朝は濃霧。気圧配置は上々。こうなればさわやかな晴天が
期待できる。しかし,今日は仕事がある。展望が期待できる午前中の山を模索する。
そうなると桐生郊外「鳴神山」が浮かぶ。コースタイムも往復3時間弱。

 いつも用意してあるザックを準備する。外はまだかなりの濃霧。暗い中の自動車で
の走行は,前方がやっと確認できる程度である。慎重に桐生まで進む。市街地に出る
頃には,完全に明るくなり,青空も見え始めている。この道は,根本山へ行く道と同
じ。途中,梅田南小学校のバス停から,右折すれば「木品」と言われる登り口に出ら
れるはずである。

 曲がり口には案内板も付いている。おりひめバスというこの一帯を走っている半官
民の路線バスがあるが,本数が非常に少ない。タクシーで登り口まで上がってしまう
ことをお勧めする。道は2M弱の非常に細い物になっていくが,ところどころ2車線
あるいは待避所があるので安心である。

 今日の登り口は,樹徳高校大滝山荘からになる。所有者は山荘であろうが,8台程
度止められる広場があるので利用させていただく。信仰の山らしく,鳥居が登路脇に
鎮座している。案内板も着いている。私が身支度を整えていると軽自動車が止まり,
ザックを背負った中年男性2名が下りる。慣れた行動ですぐに登り始める。しかも鳥
居までわざわざ戻り,深々と礼をしてからの出発である。あっという間に先に行かれ
てしまった。

 山荘前を横切ると,美しい竹藪の中を歩く。濡れた葉に太陽があたり,輝いている。
こぼれ日も気持ちがよい。上空はすっかり晴天になっているようである。すぐに沢を
渡ると幅のある道に出る。数分登ると前方に,10M程度の美しい滝がある。これが山
荘名の由来ともなっている「大滝」らしい。先行のおふたりは,ここで急に滝の近く
に行ってしまった。私は滝には興味がないので先へ進む。見下げると白装束に着替え
始めている。水修行をしにきていたのだ。そういえば桶やら,バケツも持っていた。
滝の近くには,不動尊もある。修行の光景を見てみたいが,今日は時間がない。

 しばらくは,幅のあるハイキング道を進む。沢沿いの道なので,水の音が支援して
くれている。右側に水場が設けられているので,このあたりで清水を取ることが出来
る。すぐに沢には水がなくなる。道は幅はあるが,勾配はきつい。途中からコンクリ
ートが打たれている箇所がある。角度が40度を超えいる。体に負担がかかり侮れない。
沢を渡るあたりから,沢沿いの登山道に変わると,植林帯に入っていく。

 沢沿いの道であることに変わりはないが,やはり自然の道は気持ちがよい。時々後
ろを振り向くと,足利方面の山が雲海からピークを持ち出している。大きな岩峰の下
を抜けるようになると,最後の登りである。山頂まで15分の標識があるが,ここから
の登りは結構汗を出さしてくれる。カッコウ草の移植地があり,立て看板がある。是
非開花時期に訪れてみたいものである。

 明るくなれば,肩の広場と言われる場所に出る。峠なっており,社や石仏・神殿も
ある。赤城山が西に雄大にそびえている。風はあるが気持ちの良い場所である。山頂
まで5分の標識を励みに最後の登りに挑む。2つ鳥居が並びどちらにも登路が着いて
いる。山頂は双耳峰になっており,いずれにも行けるようになっているようである。
右側の鳥居を選ぶ。急な斜面に道が付いている。上部は岩稜帯になっていっており一
気に高度を稼げる。

 鳴神山山頂
 高いところを探し,抜け出ると桐生岳(980M)と言われている本峰である。なんと3
60度の大展望。まして,雲が低くたなびき宇都宮から足利に続く山並みのピークが
現れている。南を見れば,秩父の山越に富士山がつき出ている。西に動けば,武蔵・
西上州の山並みから白く化粧した浅間山もある。木々に邪魔され,赤城の展望は損な
うものの,釈迦丸山の山容が地形図のように見えている。庚申山は雲に覆われている。
日光連山は,雪を抱いている。時間を忘れてのんびりしていたい雰囲気である。時間
がないので,ピークの確認もそこそこに,下山を決行する。

 雄大な釈迦丸山・日光白根
 北上する道から裏の肩を行く道を探すが,見あたらない。肩の広場に戻ってしまっ
た。しょうがないので,同じ道を下りることにする。整備されているので,下りやす
い道である。どんどん高度を下げていく。あっという間に大滝まできてしまう。先ほ
どのお二人はすでにいない。竹藪を抜け山荘の横を抜ければ,車をおいた広場に出ら
れる。最後だけでもと思い,鳥居で一礼をし下山終了とした。

平成12年1月14日(金) 単独行
幸手6:20−館林−桐生−8:00木品8:05−大滝−肩の広場9:00−9:05鳴神山9:25−木品
10:10−桐生−幸手

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