以外と手強い低山 鹿沼岩山 齋藤

Fri, 5 Feb 1999 00:14:36


どういう訳か,1月中旬「今年は毎週必ず,山か自然に親しむ」という決意をいたし
ました。
私の場合,いろいろな与条件が多く,どうなることかと心配しましたが,1ヶ月続い
ています。
まして,明後日は「鐘が岳」へいく,週2日ができそうです。

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以外と手強い低山 鹿沼岩山 百メートル近い鎖場も出現

 昨日は節制し早朝に起きると,子供が今日は出るのが遅いという。車が使えないの
で,出発が8時になってしまう。躊躇したが,昨日からの強い冷え込みの快晴,この
好条件を逃すすべはない。

 子供を駅におき出発する。予定では根本山を企んでいたが,急遽変更し「鹿沼・岩
山」にする。この山は「山を楽しむ会」で,電車でのんびり行こうと思ってとっていた
のだが,今日の条件ではこの山が最適と思われる。遅れを取り戻すべく高速道を使用
する。冷え込みが強すぎたせいかややガスが出始めている。鹿沼インターチェンジか
らは比較的快適な道がついている。4道路に別れを告げ鹿沼市内へ進路を取れば,古
峰神社の道を進む。市街を横切り,東武線のガードをくぐるとすぐに登山口に出られ
る。


                        
 山容から岩山は確認できるが,目標の日吉神社にはどうやって行くものが多少迷
う。歩行者用の道はあるが,自動車道が確認できない。これかと思う細い道を車幅を
気にかけながら登ると,神社が見えてきた。駐車スペースがあるということだか,
「参道につき近辺の駐車禁止−氏子総代」の目立つ立看板。停めても支障無いものかと
社務所を訪ねるが,人の気配はない。

 とにかく路肩に駐車し,歩き始める。登り口に「岩山ハイキングコース」の標識が
あったので進む。荒れた感じの道を数分歩いていると,大きなキジが飛び立ってい
く。一瞬たじろぐほどの音に驚かされる。それほど最初は何か鬱陶しさを感じさせる
雑木林の中を歩く。
15分ほどの辛抱で,岩稜帯となり岩山の由来が頷けるようになる。

 最初に現れるのがA峰である。なかなか低山にしては迫力がある。急な岩場が続く
が足場を丁寧に岩場に刻んである。地元の家族向けコースとなっているはずである。
興味あるのでA峰の上に立つとなかなかの眺め南方の眺めがすばらしい。関東平野が
一望できる。ロッククライミングの練習場になっているのであろうか,ボルト・アン
カーが必要に打たれている。下を見るとかぶっているせいか吸い込まれそうな感じが
する。

 ここからは,完全に岩稜帯の歩行になる。しかも岩の間の隙間をすり抜けるように
道が付けられているせいか,結構楽しめる。こんな山に大きな荷物を持ち上げる人は
居ないと思うが,スリムな人が非常に向いている。すぐにベンチや鉄バシゴがある三
番岩になる。やはり少し高いところに立ちたくなり,岩峰を登ると展望が得られる。
特にこの山域全般に「古賀志山」の眺めがすばらしい。私は最近行っているせいか格別
親近感がある。太平山・足利方面の山域から日光前山(袈裟丸・庚申山)から,男体山
・那須方面までが確認できる。多少岩峰下も広場かあり,宴席にはもってこいの雰囲
気がある。この後,3カ所ほどある。

  同じような岩稜帯を上下しながら北上する。高度は無いので疲労感もなく,右手に
近づいてくる広大なゴルフ場を除けば,のどかなハイキングコースである。以外と大
きいC峰
を越えると,初めて標識があり場所を確認できる二番岩に着く。なかなかの独立峰で
二股に分かれた岩峰が特徴である。岩肌に「二番岩」プレートが着いている。また岩の
上に立ちたくなる。ちょうどこの山域の中間に当たり,360度の展望が得られる。特
に岩肌を表す山の奥に見られる「二股山」が特徴的である。ここでもゴルフ場越しの古
賀志山が美しい。

 ここから一番岩まではさほど距離はないが,ルート判断が多少必要になる。全般的
に標識も少ないが,この下りからめっきりテープなどの手がかりも少なく,踏み跡も
数方向についている場合が多く,慎重に進む。稜線沿いのコースを岩の間をくぐり抜
けるように歩くと間違いがないようである。しかし,1カ所西側へ下っていく道があ
るので気を付けたい。鞍部らしいところから「下山道」とかすかな標識がある踏み跡
が,東側に2カ所ほどあり利用できるようだ。

 最後の登りになるが以外とある。一汗かくことができる。途中「くさり場」という矢
印標識があるが,山頂まではくさり場はない。この山域で一番岩といわれるのが「岩
山」山頂を指すようである。標高ももっとも高く展望も良い。10人ほどは十分楽しめ
そうなテラスになっている。測量用の赤白の棒が何の標識も無い山頂の目印となって
いる。ほぼ360度の展望が得られる。

 当然のことビールの栓を引く。あわてて出てきたため缶詰での祝宴となるが,一人
で占有している山頂がつまみとなる。時々立ち上がり,山域・山名を確認する。最近
持参する習慣が付いたデジカメで,記録を撮ることも楽しみになってきた。少し動い
た瞬間,ビールに体が触れ,岩に御神酒を与えてしまう(もったいない)。残ったビー
ルを大切にこの眺めを楽しむ。下山から帰宅の時間は気になるが,この時間だけは確
保したい。


 
 山頂からは一気に降りる。特に「猿岩」と名付けられた岩稜からの眺めは邪魔するも
のがない。しかし,その後試練が待っていた。なんと60メートルほどのくさり場,そ
の上ほぼ垂直。足場もほとんどなく,くさりに全体重を任せ降りるしかすべはない。
全部で8本ほど着いているが,慣れない人にはかなりの恐怖感を与えてくれる。私
も,最初の3本ほどは気軽に降りたが,この寒さでくさりが完全に冷えており,手が
痛い(くさり場を通過する場合は手袋持参が望ましい−慣れていない人は山頂からす
ぐに西側に巻き道があるからそれを利用するか,山頂から戻りエスケープルートを降
りることを勧める)。

 無事に降りられれば,しっかりとした踏み跡が待っている。途中,峠(西側からの
林道)への分岐を左に見送り山肌を鹿沼方面に向かう。たぶんゴルフ場が敷地に降り
てきてほしくないために付けられた道だろうと思われる道が,不整備のまま続く。
所々ロープが着いているが,雑木林を無理矢理歩かされている感がある。下では,
広々としたコースにのんびりと歩いているゴルファーが確認できる。ゴルフ場に降り
られそうなほど近づくので,試みようとするとロープで邪魔される。

 これ以上意味のない道を歩くのが苦痛なので,降路を模索していると,運良く沢沿
いに
踏み跡がありゴルフ場端の歩道に出られた。ゴルフコースの脇の舗装道をのんびり歩
く。調整池が凍っており,今朝の冷え込みが確認できる。急に開放的な歩きに気持ち
がよいが,ゴルフ場を歩いているのは何か変な気がする。すぐに管理している職員に
見つかり,退去を命じられる。どうやって街に行くかと聞くと「ティー」の横から道が
ついているという。ティーとは何かというと,とにかくあそこだと指を指される。不
満だが私は客ではない,荒立てず従う。

 小川づたいの細い道がある。田圃の畦道につながり,やっとゴルフ場から出られる
ことができた。のどかな田園風景に代わりほっとしながら歩く。先ほどのエスケープ
ルートがどこに降りてくるのが興味を持ちながら歩いたが,標識はない(確認できな
かった)。振り向くと猿岩が巨大な姿を見せている。岩山全体は歩くと岩稜が多いが
外観からは,樹木が目立ち確認できない。その中で,猿岩ははっきりとわかるほど特
徴的である。

 車道歩きから,日吉神社の道を探し,登る。朝からやっているゲートボールがまだ
続いている。非常にあわただしくこなしたが,変化に富みなかなか楽しめた低山であ
る。みなさまご賞味いただきたい。


平成11年2月4日(木)   齋藤 修
幸手8:00−加須「東北自動車道」鹿沼−9:15登山口(日吉神社)9:20−A峰−三番岩−C
峰−二番岩−10:20一番岩(岩山)10:40−猿岩(大鎖場)−分岐−ゴルフ場−一般道−
11:20登山口(日吉神社)−(鹿沼・壬生・小山)−12:55幸手



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