外秩父大霧山 広大な展望が広がる山 齋藤

Thu, 11 Feb 1999 11:05:05


武甲山・両神山・赤城の展望台 外秩父大霧山 広大な展望が広がる山

 今日は1日中自動車を使えると思っていたら,子供が昼過ぎには帰ってくるとい
う。電車に切り替えようと思うが,アプローチのことを考え自動車を利用することに
した。走行しながら山を決める。秩父・武蔵方面に行こうと思っていたので,小川町
を目指す。時間もないので,「笠山」「堂平山」「大霧山」をスピード登頂する事にした。

 小川町あたりから,頂上に天文台を持つ堂平山がな確認できる。さほど傾斜のない
尾根道が北に続いており,端が大霧山であろうと確認する。ここから山間の道路にな
る。この山域に行こうと思っていた理由に,休日込む長瀞から寄居の国道のエスケー
プルートを探すよう梓の大森氏から指令を受けていたこともある。今日,大霧山の登
り口になる「定峰峠」を越える道が秩父よりのルートになる。そういう訳で,状況を確
認しながら進む。

 途中,気を配りながら笠山・堂平山両山への登り口になる「七重峠」をめざす。ス
ピードを抑えながら進んでいたが,気づくと「定峰峠」まで着いてしまった。目的の峠
は東方にはっきり確認できる。戻るのももったいないので,ここから白石峠へ向かい
せめて堂平山だけでも登ろうと進む。このあたりで,北側路面で凍結しているところ
があるが,問題になるほどではない。この分岐から堂平山へ向かう林道がある。山頂
直前まで行くが,どうやら天文台施設の改築工事らしく,これ以上進めない。車を停
めておけるような場所もない。剣が峰あたりに広い駐車があったので戻る。

 地図を確認すると剣が峰の方が堂平山より,わずかに高い。第1目標を「剣が峰」へ
変更する。この近辺は公園のようになっており,山肌に飯能方面が眺められる展望台
が設けられているが,そこから先の道がない。かすかな踏み跡を探しながら登る。ま
して,山頂はアンテナの中継基地で占領されている。回り込むように北側に出ると,
北側の展望が意外に良い。外秩父7峰の縦走路が,どうにかピークを越えるように付
けられている。後で行く大霧山方面の山域がはっきりと見ることができる。

 反対(堂平)側の降路を降りる。最近降ったのであろう雪が残っていた。すぐに出る
林道から駐車場に戻る。あらためてここの展望を楽しむ。奥多摩から武蔵の山が美し
い。穏やかな山並みが続いている。

 定峰峠まで戻る。ドライブインの駐車場があるが,停めてはいけないらしい。少し
秩父よりに下がった空き地に駐車する。峠から山側にもうけられている階段を上りと
りつく。植林帯の暗い道だが,幅もあり歩きやすい。やや傾斜が急になるところを乗
り越すと。小高いピーク(桧平)に出られる。展望はさほど無いが,笠山が確認でき
る。

 旧定峰峠までは,下りになる。途中に「シシ岩」と名付けられた岩があるが,どうし
ても獅子というほど迫力を感じない。その先に標識があり,何方向かに獣道が着いて
いる。右を見ると最近作られたと思われる林道が,稜線に迫る勢いで登山道と共に伴
走している。すぐに降りられそうだが,不思議に道は全く付けられていない。緩やか
な登りを行くと旧定峰峠の標識がある。定峰方面への降路を右手に登る。このあたり
から,小川町方面の展望が多少で出くるが,植林帯とその境目を縫っていくような道
が続く。


 急に右側の展望が開けると共に,牧場地が出てくる。有刺鉄線で柵が施されてお
り,雰囲気は悪いが気持ちが晴れる。意外と街の方まで見渡せる。夏には牛などが遊
牧されているのであろうが,この時期草原帯になっている。しかし,ゴルフ場並に整
備され草が刈られており,山肌が美しい。しばらく有刺鉄線沿いに登らされる。

 植林帯に戻り急になった登りを我慢すると,前方が非常に開けたところに出られ
る。まさかと思ったが,大霧山山頂に着いてしまった。コースタイム2時間弱を50分
で歩いてしまったことになる。特に急いでいたわけではないが,単独行はどうもス
ピードが出でしまう。西方に武甲山・熊倉山・両神山・双子山が確認できる。特に赤
岩尾根から両神山は山容が美しく見える。真っ白く際だって見える浅間山も確認でき
る。東方にも,榛名山系・赤城・足利の山並みがある。それぞれ奥に雪をいだいた,
苗場・谷川連峰及び日光連山が構えている。低山の成果,やや視界が薄れているのが
残念ではある。

 恒例のビール開けをし,山頂での時間を過ごす。しかし,気温は低い。飲むほどに
体温の低下が進む。歩きながら楽しむが,15分が限界だった。休憩しているうちに,
粥新田峠以北のピークにも興味が出てきた。車道があり,それぞれ数分で山頂にたて
るようである。また大森氏からの依頼のエスケープルートとして,二本杉峠の道の状
況も掌握できる。次の目標が決まったので,山頂に別れを告げる。

 来た道を忠実に降りるのが,このマイカーコースのルートではある。しかし,先ほ
どの獣道に興味がある。あそこから降りれば,県道沿いに定峰峠に行けるはず。その
上,最後のピークを巻くことができる。

 旧定峰峠をぬけ記憶のある標識まで来たので実行してみた。何ルートかあるが,や
やくぼんだ道を選ぶ。高度差は20メートルほど,しかし明瞭な踏み跡ではないので慎
重に下る。降り口にはコンクリートで階段が設けられ,利用できる。無事県道11号に
出られた。

 車に注意しながら緩い傾斜のアスファルト道を登る。今日は寒いはず,沢沿いの水
が凍り付いて氷幕を作っている。山の北斜面はやはり気温が上がっていない。5分ほ
ど歩くと水場があり,トイレもある。以前キャンプ場だったのだろうか,東屋や炊事
場のような施設が山肌に見られる。このあたりにも数台駐車は可能である。

 程なく定峰峠につく。あっけなく往復できたが,次ぎに待つピークハントをするた
めに急ぎ出発する。ここからは下るのみ,礼所・養魚場・民宿などを見送ると,秩父
の民家の中に出る。秩父の礼所2番の入り口を過ぎると,交差点があり右折する。続
いて1番礼所を見過ごし,山里の中を走る。意外と快適な道,信号も少ない。時より
幅が狭くなるが,快適に速度を保てる。そのためか,二本杉峠への入り口を見送って
しまう。しょうがないので,登高山高原牧場の道を利用する。最初はすばらしい道で
あったが,すぐに頼りない道になる。車一台がやっとの道が続く。途中で分岐もある
が,この際北側から攻めていこうと決断する。

 峠らしいところには,広大な駐車場と宗教施設があったが,案内板を確認した後,
南下し登高山を目指す。すぐに牧場の施設があり,駐車場を利用させてもらう。夏場
は人出もあるのだろうが閑散としている。簡易舗装された道が山頂直下まで続く。案
の定,アンテナと携帯電話通信施設がある。その横におまけに着いているように,山
頂がある。最近里に人がいる山頂は,必要にこの施設が建てられている。恩恵は受け
ているが,自然保護の立場もとってほしい。

 次に目指すは,皇鈴山。山頂沿いの道を数分走ると標識がある。路肩に駐車し,快
適な道を登る。5分ほどで分岐,続いて山頂になる。ここにもアンテナ施設が目立
つ。しかし,山頂は広く東屋・石碑があり雰囲気がよい。平坦で100人ほどの宴会が
できそうである。残念ながら天望は良くない。



 最後のピークは愛宕山である。名前にも興味はあったが,この山がある二本杉峠に
は県営のキャンプ場がある。なかなか高地にしては整備されたキャンプ場がある。
キャビンなども立派である。埼玉県在住だからではないが,野外活動施設が利用者サ
イドの要求に合っているものが多い。夏に家族連れが楽しんでいる姿が想像できる。
山頂直下に星座観測用の施設まであり,頭が下がる。そういえばこの間の流星の時,
この山域が賑わっていた記事を目にした記憶がある。武甲山方面から南方の眺めはよ
いが,山頂としては魅力がない。帰る時間が気になりだしたので,愛宕山を後にす
る。

 後は家路に着くのみ。だいぶ余計な行程を入れてしまったので,急がなければなら
ない。峠から降り寄居への道は非常に快適である。標識等は寂しいが,道沿いに進め
ばよい。寄居近辺まで,自然に導かれる。国道に出れば左折し,バイパスを利用すれ
ばよい。後は4車線道路を速度違反に注意しながら進めば,熊谷に出る。熊谷バイパ
スから125号のバイパスを経由し幸手に着く。

 とにかくあわただしい旅であったが,十分に楽しんだように気がする。長瀞の渋滞
の逃げ方も模索したように思える。次回は,東武電車が推奨している「外秩父7峰縦
走(42km)」を完走してみたいものである。

情報
@長瀞を避けての帰路は,国道299号が大宮以南へ行く場合は一般的です。途中横瀬
に民営ですが,リーズナブルな「武甲の湯」があります。家族連れでしたら,西吾野と
吾野の間に「あじさい館」という埼玉県の大浴場のある近代施設があります。
A埼玉・柏方面へ逃げる場合は,秩父から299を500メートルほど走り左折し,栃谷か
ら県道11号を登り定峰峠経由で下り,落合で左折すれば寄居から熊谷・右折すれば小
川町から嵐山方面へいける。この際でも秩父の山里で鉱泉ですが,「新木鉱泉」「不動
ノ湯」が外来入浴をさせています。落合から寄居の間でも温泉民宿が看板をあげてい
るが,入ったことがないので詳細は不明。
BAの道を栃谷を真っ直ぐ行き,広町(目立った標識がないので慎重に)を右折し,粥
新
田峠を越える道も,最近よく整備され走りやすく,開けたところを走行できるので,
展望も良い。下れば新田で県道11号と合流できる。
                               
平成11年2月9日(火)   齋藤 修

幸手6:20−鴻ノ巣−嵐山−小川町−白石峠−7:40剣が峰8:10−白石峠−8:40定峰峠
8:50−旧定峰峠−9;40大霧山10:05−定峰峠−獅子岩下部分岐−10:45定峰峠。自動車
にてピーク下部まで移動登頂 @登高山・A皇鈴山・B愛宕山。 二本杉峠12:00−
寄居−熊谷−加須−幸手13:20。


次の作品へ ↓
目次へ ↑


inserted by FC2 system