鳳凰三山 ―― この時期に山靴不用の南ア 橋元武雄

1997年10月30日−11月2日


1997年10月31日金曜日
どんよりと曇り。
梓山行。鳳凰三山。
東京駅夜9時集合。鈴木、高橋、大森、中村。

広河原に12時少し過ぎに到着。車酔いひどく、途中で善さんに運転交代。
自分でテント関連の装備を用意しておきながら、シュラフを忘れる。大森氏のシュラフ
カバーを借用し、レスキューシートでしのぐ。
夜半強風。しかし、満天の星。

1997年11月1日土曜日
晴れ。
バスで夜叉神峠まで戻り登山開始。峠まではハイカーが多い。道を譲るとすぐ先で休ん
でいるから始末が悪い。峠からの白根三山の展望は素晴らしい。ただ、バットレスは池
山吊り尾根に隠れてしまい全容は見えない。峠から先は登山者は大分少なくはなるが、
それでも結構いる。延々とツガ林が続き、天気はよいのに日だまりが恋しい。ツガがシ
ラビソに交代するあたりの日当たりのよい草むらでワインとビールで小宴会。昼寝の時
間まではなかった。

3時半頃に南御室小屋着。さながら老人ホームの様相を呈して混雑。
われわれだけで蚕棚の一角を占有できたのは不幸中の幸いといおうか。物置のような自
炊場だったが楽しく宴会。われわれ以外の自炊者は、夫婦連れと若者3人。ヤカンで燗
酒の一升4合がまたたくまに空く。チャウも今回は高山病にかからず快調の様子。

1997年11月2日日曜日
快晴。6時起床。
7時半前に出発。のっけから急登だがあとは適度の登降を繰り返す。風情のあるカラマ
ツの老木が目立った。終始白根三山を左手に見て、やがて千丈、甲斐駒と見えてくる。
視界は最高。少雨のせいか埃が舞い上がるのだけが難である。高嶺で予定の大宴会。あ
とは下降のみ。急下降ではあったが、予想外に歩きやすかった。しかし、KAVの小川君か
ら譲り受けたガリビエールは細みの靴でぼくの足には合わない。初日はなんとかもつが
二日目からぶつかりだす。右の中指がぶつかり、左の踵にもまめができて歩きにくい。
それでもどうにかデリカにたどり着く。この時期だからと山靴にしたが失敗だった。こ
んなに乾ききった山道なら運動靴で十分だった。しかし、この季節にそれで済むという
のもいささか異常ではある。

どうせ渋滞だからと広河原でビールで乾杯し、ラーメンを作る。

櫛形山の帰りに寄った天恵泉白根桃源天笑閣へ向かったが、バスで団体が到着。あきら
めて甲府市内へ。途中、偶然に怪しげな韓国風クワハウスに遭遇。入浴600円とのことで
納得し汗を流す。内装外装ともに薄汚れた感じで決してお薦めとはいかないが、山帰り
に取り敢えずあせを流すには空いていてよろしい。甲府の駅前で一杯。帰りは渋滞し、
しか都内に入っても高速の渋滞表示が全面赤。東葛組が終電に間に合いそうになくなっ
たので、外苑で下りて上野まで直行し事無きを得た。

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