会津駒止湿原と二岐山

             亀村 通 '03/09/16



  駒止湿原

2003年9月13日(土)

8時、東葛支部いつもの待ち合わせ場所柏高島屋前、鈴木さん・高橋さん時間通り集 合で、大森さんのうちにテントとコッヘルを借りに向かう。あと1分ほどで大森さん 宅というところでご本人より「まだか」と電話。着いてみると大森さんは、出勤の用 意をしてテントとコッヘルを持って佇んでいる。そうか、そういうことか。大森さん はオデッセイが行きがけに寄って柏駅まで送るという想定をしていたわけだ。大変申 し訳ない、僕は柏駅経由で常磐道にのる前に大森さん宅に寄る事しか頭になかった。

そういうわけで大森さんはその場に残し、一行は柏インターから常磐道〜外環道〜東 北道経由、那須塩原ICで高速を降り、塩原温泉から田島町を抜けて南郷村に向かう途 中にある駒止湿原に向かった。

駒止湿原は、福島県田島町とその北部にある昭和町の境界にある、標高1100Mのブナ 林地帯の渓流付近に発達した湿原地帯だそうだ。お昼を少し過ぎた時間帯でお腹が空 いた。途中塩原町内の食品店で買ったおにぎりとビールを駒止湿原の駐車場で開ける のを我慢してすぐに歩き出す。3つある湿原のうち一番手前にある大谷地の木道を歩 き始めて10分も経たないうちにちょうどいい休憩場所があった。ビールで乾杯、食事 とする。雰囲気は中々良い。尾瀬ヶ原の規模を小さくして少し乾燥させた感じだ。す でに池糖も乾いたのか見つからず、イヌツゲやニッコウキスゲなど草原の植物が湿原 の中に入り込んでいる。湿原地帯の衰退期なのだろうか。


 駒止湿原案内板

 気持ちのよい休憩場所

天気はよく、さえぎるものがないので日差しが強くとても暑いが、人も数組しか通ら ず静かで気持ちよいところである。一人ビールのロング缶1本では足りない。高橋さ ん常備のブランデーにも手をつける。花の季節を過ぎているので種類は少ないがエゾ リンドウ・ウメバチソウがそこかしこに花を咲かせ、ツルコケモモがかわいい薄ピン クの実を実らせている。湿原内あちこちにある大きなシダ類が早くも茶色く色づき始 めている。この大谷地だけを周遊すると所要時間は約40分だが、先にある白樺谷地、 水無谷地をまわると約2時間の散策コースである。我らは当然2時間をかけて奥まで周 回した。


 シダは紅葉していた

 のんびりとした木道

この後の今日の予定は、途中買い物をして伊南村の久川ふれあい広場キャンプ場に泊 まるだけだ。ここは2年ほど前梓で利用して、大森さんをして「必要以上のものも以 下のものもない良いキャンプ場」と言わしめた所だ。実は昨年ここの管理人から僕宛 に「村の規定で料金が無料となったので是非きてください」という内容の手紙が着て いたので、僕としては「これはなんとしてもいかなければ」と思っていたのだ。

駒止湿原を出てしばらくすると南郷村山口のT字路に出る。キャンプ場へはここから 左折だが、まだ時間も午後3時頃で早いし、明日は早朝行動開始だから朝日岳の登山 口を確認しておこうということで、ここを右折し只見町方面に向かうことにした。


 会津朝日岳登山口

 只見川沿いの青少年旅行村いこいの森

ところが朝日岳の登り口がある黒谷川の橋までが意外に長い、車で30分以上走行して やっと、その黒谷川の河川敷に出た。この川沿いに遡行し「いわなの里」というとこ ろまで行けばもう登山口だ。鈴木さんが、前回橋元車が燃えたところまで行ってみる かという。それならば何も伊南のキャンプ場に戻る事もあるまい。明日の朝も早いの だからこの辺で食料を調達すればいいではないかと、至極当然の結論を得て、国道沿 いの集落にある食料品店で買出しのこととなる。今夜の食当は高橋さん。食材やビー ル、酒(栄川)、明日の行動食などを調達する間に、鈴木さんが店の主人から只見町 のキャンプ場について情報を仕入れる。鈴木さんの記憶にもあったのだが只見の町は ずれ田子倉ダム方面に大きなキャンプ場があるとのこと。車で10分も走らないうちに 着く。青少年旅行村いこいの森という。只見川沿いの広々とした明るいテントサイト は白樺など木立の点在する芝生で、水場やきれいなトイレも近く、今日は2〜3組の 家族がテントを張っているだけだ。周辺にはバンガローや大きな宿泊設備もある。入 場料一人400円と車代1台千円、しめて2200円なので梓の許容範囲内、今夜はここに幕 営と決定。

早速テントを張る。こんな広いところなのだから3人用にすることもあるまいと8人用 の大型テントにする。まさか雨も降らないだろうとターフは張らず、テーブルと椅子 を出してテントの前で早速いつものように宴会開始。するとぱらぱらと思いがけなく 雨が降ってきた。大きなテントを張ったので、テーブルと椅子をそのままテントの中 に持ち込み、中で椅子に座って宴会継続。ものの10分もしないうちに雨がやんだの で、またテーブルの両端を二人で持ち上げて外に出る。今日は酒が進む。もうすぐ一 升がなくなる頃、外は暗くなっていたので6時半過ぎか、またまた雨となる。さっき と同じようにテーブルと椅子をテントに持ち込む。雨はやみそうにない。。

高橋さんのメインディッシュは後藤さん仕込みの鳥の悪魔焼き(ディアボロ)、ロー ズマリーとにんにくの効いた逸品だ。これをやりながら宴会が続く中、いつものよう に鈴木、亀村相次いで気絶。時間は7時半にもなっていなかったようだ(当然記憶な し)。高橋さんも話し相手がいなくつまらなくて8時半頃には寝てしまったとのこ と。

夜半にふと目覚めるとものすごい風と雨が時折テントに吹き付けている。台風の余波 のようだ。上空でごうごうと恐ろしいほどの気流の吼え声がして、時おりザザーと雨 が地面を叩き、びゅうううと風がテントを揺らす。こんな暴風雨が夜中断続的に続い た。。

9月14日(日)

朝5時過ぎには皆目を覚ますが、こういう状態ではどうしようもない。三人ともとて も出発する事など考えられず、テントの中でなんのためらいもヨコヤリもなく山頂用 のロング缶3本を空にする。程よく冷えた朝ビールはうまい。朝食は昨夜食べなかった レトルト白かゆに生卵と梅干というメニューで、食後にドリップコーヒーなどをゆっ くりと飲んでいるうちに7時を過ぎた。

 すると、雲の向こうに青空が広がって強い日差しが急に蘇ってきた。雲の流れは速 いがもう雨の降る心配はないと思われる雲行きだ。大いにうろたえる。これから準備 して朝日岳を往復すると、下山は暗くなる恐れがある。どうしようか、このままここ にいるのも何だし。それで鈴木さんの提案で、二岐山に登る事にした。

 荷物を車にほおり込み8時出発。出がけに朝日岳登山口のサインボードを証拠写真 として記録し、只見から南郷、田島、下郷とひた走り、途中のコンビニで山頂用の ビールを再購入し、二岐温泉に到着したのは9時半。昔訪れた民謡旅館「柏屋」は健 在だ。変わらぬ玄関前を通り過ぎ、林道を30分ほど登ると御鍋神社に到着。ここに車 を置いて歩き始める。出発時間は丁度10時だ。

 5分ほどの林道歩きで登山口着、ここから林の中の急登を50分ほどでブナ平という 平坦地に着く。かつて大規模なブナの伐採がおこなわれ、住民の反対運動で中止され た経緯があるそうだ。平坦地の前半は見事なブナ林だが、その先は伐採跡だろう日当 たりのいい低木帯になっている。一本つけて再び急登が始まるが、山頂までは40分ほ どで、11時50分着。


 二岐ブナ平

 風力発電機が何機も設置されていた

 山頂付近で鈴木さん

 高橋さん

 二岐山頂から羽鳥湖方面を望む

 山頂で記念撮影

 山頂(男岳)は、風が強いが空気が澄んでいて展望がとても良い。会津の山々や那 須の山容がはっきりと見える。眼下には一大歓楽街羽鳥湖近くのゴルフ場や別荘地 帯、風力発電所などが見渡せる。ビールで乾杯。鈴木さんが500mlのペットボトルに 入れた日本酒を出す。これを飲みながら周りのパーティーと話をしたりして過ごす。 1時間山頂でゆっくりとし、午後1時、同じ道を下山。二岐温泉から林道を歩いてきた パーティーは、双耳峰の女岳を経由で周回して二岐温泉に戻るコースを選ぶ。1時間 ほどで御鍋神社に到着。

 例の柏屋旅館の風呂に入ろうとしたが、今日は泊り客が多いからと断られる。しょ うがないからそのまま帰路につき、新甲子温泉の高原ホテルで入浴し、白河ICから東 北道にのった。3連休の二日目だからまだ渋滞はないだろう、との読みは甘く、いつ もどおりの渋滞だった。 メンバー:鈴木・高橋・亀村

ホームへ ↑

inserted by FC2 system