甲武信岳・十文字峠

山行記録 冨山 八十八('02/06/08)

写  真 鈴木 善三('02/06/04)



 白 駒 池
十文字峠
日時 2002年6月2日(土)〜3日(日)
メンバー 大森(CL)、鈴木、高橋、亀村、金谷、冨山

6月2日
 10時、JR南浦和駅集合。駅の改札で金谷さんと一緒になる。同じ電車だったらしい。
駅前にはデリカが到着していた。ここで東葛支部の面々と合流。駅前のスーパーで買
物をして11時に出発。関越、長野道を快適に飛ばして妙義パーキングで昼とする。大
森さんおすすめの立ち食い蕎麦は、駅の立ち食いと変わらぬもので怪訝に思うが、実
はお勧めは向いのパーキングのことだった。天気は快晴、デリカは快適に走る。時間
が早いので縞枯山か白駒池によることにする。ひとしきりソフィア・ヒュッテが話題
となる。高度を上げるにつれ山桜が咲いている。白駒池は海抜2,200mの表示がある。
そんなに高いところとは知らなかった。白駒池を一周する。善さんが雲取山で撮った
カタバミソウが白い可憐な花をつけていた。近寄ってみたが、善さんの写真にあった
花弁の線模様は分らなかった。花が小さ過ぎて老眼鏡でもつけないと模様が分らない
のか。
 下りの途中から松原湖方面への舗装道路が分かれている。ソフィア・ヒュッテ近く
にスキー場ができたということであったが、そのスキー場があった。この道路は前か
らあったと大森さんがいう。そこでかってのソフィア・ヒュッテ行きの話で沸く。大
森さんの発熱、プーチンの捻挫、池口夫妻を送っていったこと、ミンク鯨…話は年が
後先ごっちゃになって進んでいる。とにかくソフィアの想い出はたくさんある。信濃
川上の手前から左折してもうき平へ向かった。ここでビールの仕入れと車のガソリン
が心配になってきた。ビールは仕入れることができたが、ガソリンスタンドはJA系で
どこも休み。廻り目平への分岐を過ぎて林の中の細い道路に入ると左右に次々と車が
止めてある。毛木平の駐車場のスペースが心配になる。到着すると適当な空きスペー
スがあって、テン場を確保できた。立派な水洗トイレもある。6時だった。
 夜の宴会はテントの中。南浦和で仕入れたカツオが結構いける。尚介さん作のチャ
ンブルは一部がソース味となったが、「八海山」片手では気にならない。メインは大
森さんの水炊き。これが鶏肉、エビ、カニ入りでなかなかいい味である。

6月3日
 全員5時前に起きた。テントを撤収して、紅茶も食事もとらずに用意できしだい出
発する。5時20分だった。すぐに千曲林道との分岐となって甲武信岳組の大森、鈴木、
高橋、亀村と、十文字峠組の金谷、冨山と分かれた。簡単な橋が架けられていて源流
を渡る。もうひとつ涸れている沢を渡って登りとなる。びっしり連なると高い樹林の
なかを黙々と登る。小鳥の声がしきりで、カッコーの声も混じる。ゆっくりしたペー
スだが30分も歩くと息苦しく一本たてる。私の体調のせいか昨夜のアルコールのせい
か、しきりと水が欲しくなる。朝が早いせいかほかに人はいず、二人きりで静かな山
歩きができる。2回目に休んだときに中年夫婦の1組が登っていった。路はつづら折れ
の急な登りとなる。
地図に「八丁坂」とある。路端の所々に倒木を伐採した薪が積んであって、十文字小
屋まで運んでくださいと書いた札がつけてある。標識があるところで登りは終り、緩
い下り勾配の歩きやすい路を行くと十文字峠の標識があって、十文字小屋へ着いた。
7時40分。テントが5〜6張ある。小屋の前の石楠花が赤い花を一杯に咲かせている。
朝食をとってゆっくり休む。
 先月の日本橋「アリス」での梓の集会で、後藤さんがNHKテレビの「小さな旅」で
見たという十文字小屋のおかみさんのことを話していた。旦那が無くなった後を継ぎ、
今ではサラリーマンだった息子も手伝っている。おかみさんはそれほどの年齢でもな
く、小股の切れ上がったいい女ということだった。その後藤さんは体調を崩して今回
は急に不参加となった。
どれどれと私は小屋へ行ってみる。小屋の前にデジカメを手にして数人の登山者と話
している眼鏡をかけた青年がいた。彼がたぶん息子だろう。それから中年後期のおば
さんが小屋から出てきた。これが噂の女小屋主らしい。町で見かける普通の奥さんと
いった風で、山小屋の人らしい感じはしない。
小屋の前の石楠花は見事に満開だった。しかし枝盛りは1m50pほどでそれほど背は
高くない。
8時10分に小屋前を発ち甲武信岳方面へ向かった。木の根が這い廻る路を登る。両側
は一面苔に覆われて奥秩父の様相であるが、その苔が乾いている。樹林帯が突然石楠
花などの潅木帯に変わる。両側の石楠花はまだ花をつけていない。岩が出てきてロー
プが取り付けてある。そういったところを2ケ所過ぎると「大山」の標識が建ってい
た。眺望が開ける。小振りな石楠花の樹がかたまっていて、花をつけていた。数組が
休んでいた。
9時30分。正面にどでーんと構えたのは三宝山らしい。左手に奥秩父の山の連なり、
右手に八ケ岳の連峰が青く霞み、下の方に梓山の白いビニールで覆った畑が見える。
ゆっくり休む。予定した武信白岩山は尾根の先に岩塊を突出させているが、ここから
はいったん急坂を下って登り返すピークが2つあるので、足を延ばすことは止める。
10時30分に腰をあげて引き返す。金谷さんの携帯電話が鳴って、カメちゃんから、い
ま白岩にいるとの連絡が入った。11時10分に十文字小屋に着いた。たいへんな人であ
る。腰を下ろしてビールをやり、金谷さん持参のワインを開け、フランスパンとバタ
ー、それに金谷さん製作のオックス・テールを沖縄産荒塩をつけてやる。これは宮之
浦岳でも好評であったそうだが、なかなかのもの。調理法の「秘訣」を伝授してもら
ってワインをやり、少々は甲武信組に残して、ひと寝入りする。周囲は次々やってく
る団体組で賑やかである。
12時ごろ、目の前を尚介さんとカメちゃんが歩いてきた。ここから5分ばかり行った
水場あたりの石楠花がきれいだと言うので行ってみた。背の高い石楠花が一杯に花を
つけていて、これぞ奥秩父の石楠花という感じ。ところが私のカメラはなぜかシャッ
ターが下りない。ヤマツツジも咲いていた。
1時出発。急ぎ足でひたすら下る。樹林帯にヤマボウシ、マムシソウなど。花は善さ
んに任せた。ようやく勾配が緩くなってきた辺りに水場があり、みな水筒に詰める。
2時にもうき平に着いた。荷物の整理やまとめをやって、3時にもうき平をデリカで
後にした。

 ???(バラ科サクラ属)

 毛木平にて

 キバナノコマノツメ

 バイカオウレン

 乙女の森の石楠花
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