会津・田代山(マジカルミステリーツアー)

亀 村 通     '01/06/17


2001年6月9日(土)
21世紀最初の梅雨、関東地方は6月6日から始まった。9日土曜日は曇天ながらラッキーにも降りそうにない、午後からの夕立が少し心配だ。予定時間を少し遅れ東北道都賀西方PAで、東葛支部大森テラノと長老組橋本デリカが合流する。日光ICから霧降高原、栗山村黒部をぬけ、湯西川への道を分岐し、湯の花温泉に至る林道に入る。
一番初めここを通った時は暗い中を走ったっけ、懐かしい道、相変わらず未舗装のオフロードだ。意外と時間を取られ猿ーの登山口に着いたのは、11時半に近かった。かつてにんにくの匂いの立ち込めるテントを張った登山口の少し上に10台ほど停められる新しい駐車場が出来ている。ほぼ満車。ここから尾根伝いにのぼれば下からの登山道とはものの5分で合流できる。明日の山開きを前に登り口には横断幕が掲げてあるのは、昔見たそれとおんなじような気がした。

(猿ーの登山口)

久しぶりの皆での山歩き、声高にしゃべりながら行く。朝に登り始めた連中はもう下り、何組もすれ違う。明日の山開き、山道は大渋滞になること間違いなし。今でも頂上で記念のバッジをもらえるのだろうか。

(紅サラサドウダン)

今朝散ったようなオオカメノキの白い花を踏み、サラサドウダンの赤いつぼみの下を見やってくぐり、何種類かのかえでを同定しながら登ればやがて小田代、可憐なヒメシャクナゲはまだピ
ンクのつぼみだ。小休止の後、山頂の湿原への最後の登り、30分も歩かぬうちに山頂の湿原にポッと飛び出した。木道をてくてくと歩く。山道のそこかしこに白く咲いていたミツバオオレンに替わ り、湿原の白い花はチングルマ、イワカガミ。ピンクはショウジョウバカマ、ヒメシャクナゲ。澄んだ濃紺はフデリンドウ。湿原の先のブッシュにはところどころ白い石楠花が咲いている。ふっと湿原の向う、遠くを見
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やると、あれは越後三山か平岳か、沢伝いに残雪を幾筋も残した山域が遠望できる。

(山頂は平坦な湿原)

湿原のふちで昼食。昔と同じ場所。そのすぐ先の木立中には避難小屋(太子堂)があり、ここから帝釈山への下りになる。このあたりにまだ残雪が残っているのは、例年より雪が多かったせいか。下り始めにオサバグサの群落があって、橋元さんが初見参で同定した時を思い出す。今年はどうかと確認に
(咲き始めのオサバグサ)

行ったら、残雪のせいか開花に少し早いようで、釣鐘状の花たちは2分咲きといったところか、ほとんどがつぼみの状態であった。
金谷さん差し入れのワインを3本、各自持参の行動食で昼食後、帝釈へは行かずもと来た木道を戻る。実は、この昼食時にこれまでミステリーツアーと称して伏せておいたこの後の予定を発表したのだが、あえなく却下。今夜の天場も決まらず、リーダーとしてはどうしようかと思案しながらの下山となった。

(カキドオシ)

当初の案とはこうであった。猿ーへ下山後林道を日光方面へ戻り買出し、いろは坂を登って中禅寺湖を左に折れ中禅寺湖スカイラインのどん詰まり、半月峠の駐車場で幕営。翌日は半月山の展望台に登ったりしてから日光市内の大猷院廟(徳川家光の廟所)を見学するというもの。10日ほど前に亀村と後藤さんが久しぶりに日本橋で飲んだ際に「これは良い案だ」と大いに盛り上がった企画であった(酔っ払って飲み
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屋から橋元さんに電話したことも今日まですっかり忘れていた)。しかしながら時間的に日光に戻るのはきついということで、何とか代案をひねり出す必要が生じた。
猿ーへ降りて午後3時、もう時間もない。木賊から桧枝岐に抜け、キリンテあたりで天張るのが無難なところだが、尾瀬のシーズンだから明け方に車が往来したり人が多くてうるさそうだ。ままよと、桧枝岐とは反対方向の南郷村方面に車を走らすことにした。実は何年か前にこの辺のオートキャンプ場で家族キャンプをしたことを思い出したのだ。確かその時に街道沿いにスーパーがあったはずだった。我らはまず食料を調達しないことには話にならない。テントはまぁ何処でも張れるだろう。
記憶に間違いはなく、しばらく走った伊南村古町というところにそのスーパーが見つかった。前回家族の時にも利用した店だ。皆が買い出し中に店員に聞くと、案の定キャンプ場はいくつかあるという。店に置いてあった会津

(久川キャンプ場)
高原案内のパンフを調べると、久川城址公園の久川キャンプ場というのが一番近い。温泉もすぐ近くにある。ようしここへ行ってみよう、と皆を引率する。
結果オーライというのはまさしくこういうことを言うので、数年前にオープンしたという伊南村営のここは、キャンプ場にはうるさい大森さんからも合格点をもらえた素晴らしい環境のものであった。大森さん曰く「必要なものがあって、必要以上のものがない」、車を横付けできる芝生のテントサイトと、ベンチ、テーブル(バーベキュー可)数組、管理事務所に清潔なトイレ、料金はテント一張り2,000円。サイトは10張り以上張れるスペースだが今夜のキャンパーは我々を含めてたった3組だ。こうなるとメンバーもそろっているし、盛り上がらないはずがない。

(善さんの大演説、約一名は居眠り)

備え付けのテーブルを囲み、まずは2001年度総会を厳粛に執り行なった後、宴会突入。食料調達とテント場
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の確保というリーダーの役割を果たした私はいつものように早々ダウンだが、酔って朦朧となった耳には久しぶりの咆哮なども聞こえた記憶がある。夜中は晴れ渡り星空がきれいであった。
翌日は、古町温泉赤岩荘という鉄分の多い露天風呂に入浴後日光まで戻り、後藤さんお勧めの大猷院廟見学の後、今市IC近くのとんかつ屋でボリューム満点の昼食後、東葛支部と本隊それぞれに分かれて帰途についた。久しぶりに8名もの参加があり、宣言どおりマジカルでミステリアスな楽しい企画とな
った(自賛)。

日程:2001年6月9日(土)〜10日(日)
参加:橋元・冨山・中村・後藤
・大森・高橋・鈴木・亀村 計8名
リーダー、亀村
集合:(橋元車)東川口、午前8時
(大森車)柏、午前7時、岩槻から東北
道へ。 両車は9時頃「都賀西方P.A.」
で落ち合う。
行程:日光〜黒部〜猿ー(くら)登山
口 田代山、帝釈山登山、下山後食
材等購入してキャンプ地へ。
定時総会、宴会
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