久しぶりの山・足利郊外の山ー毛野大坊山

         斎 藤 修     '00/11/19



  あわぎ山山頂からの展望

 山登りというのは,機会を失うと非常に行き難くなるものである。しかし,冬場の 陽が登場するとどうしても行きたくなってしまう。この衝動に負けるのは,山屋の本 能である。とは言ってもなかなか衰えた(楽を覚えた)体に無理をかけるわけには行か ない。低山をねらうが近場の山は歩いてしまっている。以前こんな山は登らないであ ろうと思い入手していたパンフレットが目に留まる。

 「毛野大坊山」が標的になる。僅か300Mにも満たない低山ではあるが,鎖場も あり,展望はすこぶる良いらしい。まして,今日はドアーT0ドアーで6時間程度し か時間の余裕がない。迷っていいる場合ではないので,すぐに決定する。気温は上が り(展望不良)つつあるものの天気は,上々である。 順調にいけば,登山口まで我が 家からは車なら1時間強で着けるはずである。案内によると,駐車スペースから周遊 コースが可能である。国道122号を利用し北上する。渡良瀬川を超えれば,足利近 郊の「山川長林寺」はすぐである。車で行く場合は,「元気鮨」の店舗が解りやすい。 電車の場合,バスでも行けるがタクシーで寺まで行った方が,便利なようである。奥 まった寺まで行けばなかなかの景勝地。この時期は紅葉が素晴らしく,見応えがある。 山川長林寺は小規模な池・庭園が整備されているので,のんびり歩き出したい。

 このコースは『毛野大坊山観光協会』と いう名の入った標識が,要所要所付けられ ているので安心である。宿坊ではないが, そこそこ立派な旅館がある。その横を過ぎ れば,『道了尊』まで非常に急な階段が続 く。私の前方を歩く子供達が,怖々歩いて いる。この勾配は,慣れない人は多少辛い のかもしない。朱色に塗られた建物が出れ ば,そこが道了尊である。回廊が展望台の ようになっている。すぐ横には,古墳と称 する場所があるが,表示が無ければ理解不 能な広場となっている。

 すぐに,「一般道・初心道」と分岐に記 載されている標識がある。一般道は「浅間 山」を経由し,初心者道はトラバース道と 解した方がよい。まだ元気があるので,一 般道を選択し浅間山を超える。浅間山は, 東側は展望に恵まれているものの際だった ものはない。石祠が鎮座しているのみであ る。枯れ枝越しに展望を楽しんだ後は, 『自衛隊道路』といわれるもう一方の登山 口を目指し下降する。案の定,途中から初 心者道が合流してくる。

 2車線の立派な舗装道路をまたぐと,案内板が設置してある。ここからは,1M強 ある緩やかな道が続く。非常に歩きやすい。紅葉も絶好の時期である。中高年のグル ープを追い越せば,山も静かになる。しばらく等高線沿いの道を歩けば,ハイキング (登山)道になる。身支度(今日は今年一番の冷え込み,やや厚着のままである,一枚脱 ぐ)を調え,紅葉を楽しみながら歩く。低山であるが,植林がないので非常に恵まれた 状態で自然が残っている。トラバース道をしばらく行くと行き止まり,数名のグルー プがザックの背負い方で談話している。汗ばんできたので,最小限の服装となり登り 始める。

 稜線までは,結構あるように見えたが,10分強の登りで出られる。3方(富士山・赤 城山・日光連山)の大きな標識がある。おそらくここが見晴台といわれる「あわぎ山」 山頂であろう。親子連れが休憩していた。展望が良いので,あたりをパノラマ写真に収 める。南側はガスが出始めているが,赤城・日光方面の展望は気持ちがよい。早朝或い は空気が澄んでいれば,富士山もなかなかの姿を呈しているに違いない。このあたりか ら岩場も出現し始める。いろいろ楽しませてくれる。すぐ先にもう少し高いところがあ り,私はこちらの方の眺めが好きである(邪魔されることなく360度の展望が得られ る)。

 急な下りになり,しばらくは緩やかな降路 が続く。時々,目指す「大坊山」のすがたが確認できる。 周遊コースになっているが,多くの変化があるのは地勢(質) だけではない。小ピークが連なっているせいか,アップダウ ンも多い。なかなか運動した感じを与えてくれる。しかし, たいした高低差ではないので,楽しんで歩けるはずである。 稜線らしい道になってくれば,大坊山はすぐ近くである。左 に小ピークを持つ「つつじ山」に出れば,『山頂まで120 M』の標識が立っている。その先のピークに立てば,岩稜帯 になっている。このあたりは日光連山の山並みが,非常に美 しい場所である。またしても360度の大展望に恵まれる。


 分岐まで戻り,大坊山を目指す。またしても下降からはじまる。最後のアップダウ ンを楽しめば,10分強で「大坊山」に着くことができる。数種の石碑が建っており, 広場になっている。昭和の落雷による火災で社・社務所等が焼けてしまってから再建 していないという。土台の跡や迫り出すように作られていたと思われる社務所の面影 だけが残っている。こま犬の基石を見ると,明治40年とあるから以前は信者で賑わっ ていたに違いない。

 山頂では,壮年の男女のグループが2組,楽しそうに談笑していた。邪魔せぬよう に反対側に陣取り,昼食をとる。まだ11時強,朝食を食べていないので,程良い時間 である。恒例のビールをあけ,『山頂の儀』を敢行する。赤城から南方の山々が見渡 せるので気持ちがよい。天候次第では富士山も見えるはずである。台所にあった子供 の弁当の残りをパックに詰めてきたので,つまみは十分ある。久々の山頂の儀は気持 ちがよい。日曜日のせいか,交代するように山頂に登ってくる人がある。

下山は,参道とは逆ルートになる。大山祗神社を目指して降りればよい。こちら側 にも駐車スペースがあると聞いている。最初の階段以外なだらかで歩きやすい道が用 意されている。足利市街を見渡しながら,高度を下げることができる。整備された道 を降りていけば,程なく神社に出ることができる。祭事には賑わう様であるが,今日 は閑古鳥が鳴いている。静かで私には良い状態であるが。山頂から30分弱で勝負がつ いてしまう。



 あとは,自動車道を下るだけである。最初は細い道で傾斜もある簡易舗装である。 しばらく行くと舗装道に出られる。案内板等もあり,一息付ける所でもある。東京ナ ンバーの小型バスが停車していた。ツアーのグループもいるらしい。種々の案内から, ブドウ畑を右折するルートが示されているので従う。『鹿島園』という天然温泉施設 があるようである(足利は『足利健康ランド』という楽しめる施設がある)。下山後行 ってみたが,どうも入浴したいという感じのしない施設である。入浴料終日590円 は魅力があるが,踏み切れない施設である。下山後の宴会も考えているのであれば, 健康ランドの方がすこぶる快適である(料金は高いが設備も整い快適である)。

 自衛隊道路を登り返し,一般道を帰るルートの紹介が多いので,そのセオリーに従 う。なにか無駄な自動車道の登りを強いられているようで,理解できない。回り込む ように駐車スペースに行ける道もあるようである。下山地が朝出た快適な,寺の境内 なので気持ちがよい。非常に手入れが行き届き美しいエンディングである。

平成12年11月19日(日) 幸手8:45−館林−足利−9:40登り口(山川長林寺)9:50−道了尊−浅間山−自衛隊道路10:10−見晴台(あわぎ山)−岩場−10:50つつじ山(小ピーク往復)11:00−11:10大坊山11:45−大山祗神社12:15−ブドウ園−自衛隊道路−登山口(初心者コース)−12:40登り口(山川長林寺)−(途中「足利鹿島園下見」)−14:00幸手

足利鹿島園温泉 足利市大沼田2149 0284-91-1111 天然温泉施設。
 ゴルフ練習場に温泉を掘り当てて作った営利施設のような温泉。足利市街からだと10分(車)ほどで着く。内風呂と露(野)天風呂があるが,すべて沸かしていない源泉というのがふれこみの施設。10数年前のヘルスセンターという感じがする温泉である。客対応はよいがどうもとけ込みにくい感がする。入浴料が終日590円というのはうれしい。ゴルフの練習を兼ねながら利用する事も可能である。汗を流す程度であれば十分というのであれば,お勧めである。最近贅沢になってきた温泉好きの人にはあまりお勧めできない。

足利健康ランド
 足利市朝倉町2-234 0284-73-0105 総合入浴施設 足利市駅から8分
 市街地に立つ入浴施設だけに施設は充実している。温泉ではないが,草津の湯を毎日運んできているらしく,露天風呂には硫黄泉が整えられている。内風呂も古代檜風呂を始め,薬草風呂・水風呂・ジェットバスなど,浴槽だけで5つもある。加えて,プール(裸で泳ぐ)・サウナ(一般・蒸気の2種)もある。入浴料は高いが,タオル(バスタオル・タオル)が付き,湯浴み着までセットになっている。手ぶらで訪れても良い。大宴会場はカラオケの大広間であるが,数種類の小部屋(有料)も準備されている。当然飲食物の持ち込みは不可であるが,まずまずの料理も準備されている。宴会も兼ねてであれば,入浴料込みの『宴会パック』もあるので利用できる。
 入浴料1950円。時間制限無し・大宴会場2・アスレチック施設・マッサージ・映画室有。
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