山登りというのは,機会を失うと非常に行き難くなるものである。しかし,冬場の 陽が登場するとどうしても行きたくなってしまう。この衝動に負けるのは,山屋の本 能である。とは言ってもなかなか衰えた(楽を覚えた)体に無理をかけるわけには行か ない。低山をねらうが近場の山は歩いてしまっている。以前こんな山は登らないであ ろうと思い入手していたパンフレットが目に留まる。
「毛野大坊山」が標的になる。僅か300Mにも満たない低山ではあるが,鎖場も あり,展望はすこぶる良いらしい。まして,今日はドアーT0ドアーで6時間程度し か時間の余裕がない。迷っていいる場合ではないので,すぐに決定する。気温は上が り(展望不良)つつあるものの天気は,上々である。 順調にいけば,登山口まで我が 家からは車なら1時間強で着けるはずである。案内によると,駐車スペースから周遊 コースが可能である。国道122号を利用し北上する。渡良瀬川を超えれば,足利近 郊の「山川長林寺」はすぐである。車で行く場合は,「元気鮨」の店舗が解りやすい。 電車の場合,バスでも行けるがタクシーで寺まで行った方が,便利なようである。奥 まった寺まで行けばなかなかの景勝地。この時期は紅葉が素晴らしく,見応えがある。 山川長林寺は小規模な池・庭園が整備されているので,のんびり歩き出したい。
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2車線の立派な舗装道路をまたぐと,案内板が設置してある。ここからは,1M強 ある緩やかな道が続く。非常に歩きやすい。紅葉も絶好の時期である。中高年のグル ープを追い越せば,山も静かになる。しばらく等高線沿いの道を歩けば,ハイキング (登山)道になる。身支度(今日は今年一番の冷え込み,やや厚着のままである,一枚脱 ぐ)を調え,紅葉を楽しみながら歩く。低山であるが,植林がないので非常に恵まれた 状態で自然が残っている。トラバース道をしばらく行くと行き止まり,数名のグルー プがザックの背負い方で談話している。汗ばんできたので,最小限の服装となり登り 始める。
稜線までは,結構あるように見えたが,10分強の登りで出られる。3方(富士山・赤 城山・日光連山)の大きな標識がある。おそらくここが見晴台といわれる「あわぎ山」 山頂であろう。親子連れが休憩していた。展望が良いので,あたりをパノラマ写真に収 める。南側はガスが出始めているが,赤城・日光方面の展望は気持ちがよい。早朝或い は空気が澄んでいれば,富士山もなかなかの姿を呈しているに違いない。このあたりか ら岩場も出現し始める。いろいろ楽しませてくれる。すぐ先にもう少し高いところがあ り,私はこちらの方の眺めが好きである(邪魔されることなく360度の展望が得られ る)。
急な下りになり,しばらくは緩やかな降路 が続く。時々,目指す「大坊山」のすがたが確認できる。 周遊コースになっているが,多くの変化があるのは地勢(質) だけではない。小ピークが連なっているせいか,アップダウ ンも多い。なかなか運動した感じを与えてくれる。しかし, たいした高低差ではないので,楽しんで歩けるはずである。 稜線らしい道になってくれば,大坊山はすぐ近くである。左 に小ピークを持つ「つつじ山」に出れば,『山頂まで120 M』の標識が立っている。その先のピークに立てば,岩稜帯 になっている。このあたりは日光連山の山並みが,非常に美 しい場所である。またしても360度の大展望に恵まれる。 |
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分岐まで戻り,大坊山を目指す。またしても下降からはじまる。最後のアップダウ ンを楽しめば,10分強で「大坊山」に着くことができる。数種の石碑が建っており, 広場になっている。昭和の落雷による火災で社・社務所等が焼けてしまってから再建 していないという。土台の跡や迫り出すように作られていたと思われる社務所の面影 だけが残っている。こま犬の基石を見ると,明治40年とあるから以前は信者で賑わっ ていたに違いない。
山頂では,壮年の男女のグループが2組,楽しそうに談笑していた。邪魔せぬよう に反対側に陣取り,昼食をとる。まだ11時強,朝食を食べていないので,程良い時間 である。恒例のビールをあけ,『山頂の儀』を敢行する。赤城から南方の山々が見渡 せるので気持ちがよい。天候次第では富士山も見えるはずである。台所にあった子供 の弁当の残りをパックに詰めてきたので,つまみは十分ある。久々の山頂の儀は気持 ちがよい。日曜日のせいか,交代するように山頂に登ってくる人がある。
下山は,参道とは逆ルートになる。大山祗神社を目指して降りればよい。こちら側 にも駐車スペースがあると聞いている。最初の階段以外なだらかで歩きやすい道が用 意されている。足利市街を見渡しながら,高度を下げることができる。整備された道 を降りていけば,程なく神社に出ることができる。祭事には賑わう様であるが,今日 は閑古鳥が鳴いている。静かで私には良い状態であるが。山頂から30分弱で勝負がつ いてしまう。
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あとは,自動車道を下るだけである。最初は細い道で傾斜もある簡易舗装である。 しばらく行くと舗装道に出られる。案内板等もあり,一息付ける所でもある。東京ナ ンバーの小型バスが停車していた。ツアーのグループもいるらしい。種々の案内から, ブドウ畑を右折するルートが示されているので従う。『鹿島園』という天然温泉施設 があるようである(足利は『足利健康ランド』という楽しめる施設がある)。下山後行 ってみたが,どうも入浴したいという感じのしない施設である。入浴料終日590円 は魅力があるが,踏み切れない施設である。下山後の宴会も考えているのであれば, 健康ランドの方がすこぶる快適である(料金は高いが設備も整い快適である)。
自衛隊道路を登り返し,一般道を帰るルートの紹介が多いので,そのセオリーに従 う。なにか無駄な自動車道の登りを強いられているようで,理解できない。回り込む ように駐車スペースに行ける道もあるようである。下山地が朝出た快適な,寺の境内 なので気持ちがよい。非常に手入れが行き届き美しいエンディングである。
平成12年11月19日(日)
幸手8:45−館林−足利−9:40登り口(山川長林寺)9:50−道了尊−浅間山−自衛隊道路10:10−見晴台(あわぎ山)−岩場−10:50つつじ山(小ピーク往復)11:00−11:10大坊山11:45−大山祗神社12:15−ブドウ園−自衛隊道路−登山口(初心者コース)−12:40登り口(山川長林寺)−(途中「足利鹿島園下見」)−14:00幸手 足利鹿島園温泉 足利市大沼田2149 0284-91-1111 天然温泉施設。 ゴルフ練習場に温泉を掘り当てて作った営利施設のような温泉。足利市街からだと10分(車)ほどで着く。内風呂と露(野)天風呂があるが,すべて沸かしていない源泉というのがふれこみの施設。10数年前のヘルスセンターという感じがする温泉である。客対応はよいがどうもとけ込みにくい感がする。入浴料が終日590円というのはうれしい。ゴルフの練習を兼ねながら利用する事も可能である。汗を流す程度であれば十分というのであれば,お勧めである。最近贅沢になってきた温泉好きの人にはあまりお勧めできない。 足利健康ランド 足利市朝倉町2-234 0284-73-0105 総合入浴施設 足利市駅から8分 市街地に立つ入浴施設だけに施設は充実している。温泉ではないが,草津の湯を毎日運んできているらしく,露天風呂には硫黄泉が整えられている。内風呂も古代檜風呂を始め,薬草風呂・水風呂・ジェットバスなど,浴槽だけで5つもある。加えて,プール(裸で泳ぐ)・サウナ(一般・蒸気の2種)もある。入浴料は高いが,タオル(バスタオル・タオル)が付き,湯浴み着までセットになっている。手ぶらで訪れても良い。大宴会場はカラオケの大広間であるが,数種類の小部屋(有料)も準備されている。当然飲食物の持ち込みは不可であるが,まずまずの料理も準備されている。宴会も兼ねてであれば,入浴料込みの『宴会パック』もあるので利用できる。 入浴料1950円。時間制限無し・大宴会場2・アスレチック施設・マッサージ・映画室有。 |
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