PHOTO GALLERY・梓20世紀の映像(第23回)

西吾妻山(観光旅行気分の山行)

  前回の1996年那須山行から遡る8年前、1988年の夏は悪天候にたたられた。
夏山計画の北岳は2度もながれて、まだ元気のよかった面々は欲求不満が蓄積し
ていた。いつかはと候補にあがっていた福島の吾妻連峰に9月にはいって出掛け
ることになった。ところが、直前になってオジさんが米国出張、大森さんは体調
を崩し、善さんは金曜朝発を夜発と思い違いしていたなどで、結局7名となった。
メンバーは冨山、関根、金谷、高橋、中村、亀村、後藤である。お気付きだろう
が運転可能は亀村、中村の2名であるがほとんどカメチャンに負担がかかってし
まった。尚介さんはこの際と、こののち免許を取得するがその後あまり恩恵に預
かった記憶は無いような気がする。
  9月2日午前8時南浦和発、交通渋滞に巻き込まれたり、北に向かうほどポツ
ポツ雨が降ってきて徐々に雨足が強くなったり、となれば大森、鈴木両名が居な
いので方向変換は直ぐにまとまる。昼飯をとった蕎麦屋のオヤジのすすめで中の
沢温泉に素泊まり。
翌日は裏磐梯から白布峠を越え、白布温泉に向かう。ロープウェーの山麓駅に車
を置いて、天元台までロープウェー、リフトを乗り継いだのち登り始める。途中
の分岐で昼食をとり、ここから西吾妻山を目指した。湿地帯を過ぎると急な登り
となりその上はなだらかな這い松とお花畑となっている。天狗岩からは大らかな
吾妻連峰の眺めが手にとるようだ。吾妻神社の祠を置いた頂上付近にはコケモモ
の実とジゴボウが至る所にあり、ひととき夢中になって摘む。しばしののち山頂
を後にする。気持の良い散歩道を辿って、人形石に出る。ここからの東大巓の眺
めは壮大で魅力的だ。少し下ってリフトに乗る。途中で土砂降りの雨に遭うが雨
具も出せない。ズブ濡れになってロープウェーの駅に駆け込む。濡れた体で寒さ
に震えながら、缶ビールと味噌田楽で暖を取る。
同夜の宿である白布温泉の国民宿舎で一風呂浴びて部屋で寛ぐ。食事は食堂で他
の客と一緒だが、天候が悪かったためか客も少なく、お銚子のお替わりが続いた。
翌4日は下山日だがやっと天候も回復。途中五色沼を見物して、蕎麦屋でメート
ルを上げて帰路についた。(高橋尚介さん紀行文から抜粋)
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