展望と岩稜の十二ケ岳から鬼ケ岳 後藤

Mon, 7 Jun 1999


                    展望と岩稜の十二ケ岳から鬼ケ岳
                      期日:1999年6月5日〜6日
                      メンバー: 大森、亀村、後藤
                                鈴木、田中、橋元
今年の入梅宣言が数日前に出されたが、今回の山行は好天に恵まれた。
5日午後2時橋元さんのデリカと田中さんの乗用車に分乗たメンバーは中央高速河
口湖線谷村パーキングで落ち合い、途中食材購入ののち西湖畔の幕営地に向かった。
久方ぶりの湖畔の野外宴会に話題も弾んで、梓ごのみの越後地酒2升とビール350
t缶が20本空いた。

翌朝も好天、湖を取り囲む山々は濃い緑に装われて光っている、今日も暑そうだ。
田中さんは所用のため帰宅しなくてはならない,がそのまえに今日のコースの下山
地にデリカを廻した鈴木さんを車にのせ登山口まで送り届けてもらう。
田中さんを見送った5名は、8時15分西湖と河口湖の間にある文化洞トンネルの河口
湖側にある登山口から毛無山(1500m)へ向かう。
松林の中の急登が約1時間続くが、登りが緩やかになり右から別の登山道をあわせ
てもうひと踏ん張りで毛無山山頂につくと、眼下に河口湖がもやに霞んではいるが
箱庭を見るようだ。富士山は生憎雲に隠れ何も見えない。

十二ケ岳とはやせたいくつものピークが連続しているので、こう呼ばれる。
一ケ岳から九ケ岳まで上り下りを繰り返すが、十一ケ岳からキレットの底へロープ
の設置されたけっこう長い急な坂を下る。キレットにかかる吊り橋をわたって十二
ケ岳への最後の登りにかかると、鎖や木の根、岩を頼りに登る急登が続く。
頂上手前の小広いところで遅れた後藤を他の面々が待っていた。
すでに昼時で朝食が早かったために空腹ではあったが、ここには金山から鬼ケ岳に
向かわず下山するパーテイがたくさんいるし小さな虫が飛びまわりうるさい、この
先まだ急降下の道もあるので少憩の後先へ進む。

金山へは、針金やロープの張られた岩尾根を下る。眼下に西湖が見えてその向こう
は足和田山が囲み、湖上には釣り人のボートが浮かんでいるのが長閑に見下ろせる。
縦走路前方は金山、その先に鬼ケ岳がニョキット立ち上がっている。
時刻は1時をまわり、喉は渇くし腹はへる。金山についてどうやら大休止かと期待し
たが、案内に「金山頂上で道は分岐して、北に行けば節刀ケ岳、往復30分もかから
ないので登っておきたい、6月ともなるとつつじが咲き乱れる。」とあるのでいこう
という事になる。ぶつぶつ言う私をなだめすかしつつ一行は節刀ケ岳(1736m)でやっ
と昼飯とする。
静かな気持ちの良い山頂であるが、やや風が強いのでブッシュの陰で休むと足元に
はマイヅルソウがたくさん咲いていた。
橋元さんが氷で包んで上げてくれたビールはきゅーんと冷えていて素晴らしく旨い。
大森さんは「家でこんなに冷えていたら、冷え過ぎじゃーなーいとなるけどね」と
言うほど冷えているが、実に実にうまかった。
フランスパン、チーズ、ソーセージそして赤ワイン、それに鈴木さんが買い込んだ
茶饅頭(評判はイマイチ)などでゆっくりした昼餉。
残念な事に腰痛がでて息のあがらない亀村さんの口数が少ない。
つつじは咲き乱れるほどでもなく少し遅いようだ、が遅いの早いのは人間の側の主
観で云っているだけで傲慢であるという事になる。
充分に休んで金山に戻り鬼ケ岳(1738m)にむかう、意外に20分ほどで鬼の角のよ
うな岩が立っている頂上に着く、と橋元さんがそれにつかまって周りを見渡してい
たが「××××岩アー」などと放送コードにひっかかりそうな事を云っている。

西に続く尾根に入る。最初の急な下りを過ぎればブナやツツジの多い緩やかな尾根
が徐々に下り鍵掛峠につく、立派なアルミ製の道標には(鍵掛峠山頂)と書いてあ
った。
良く踏まれた西湖西端への下山道に進む、が単調で長い。途中少休ののちブナ林を
抜けて最近造林作業のため作られた石のごろごろした至極歩きにくい道が続いた。
途中、今日はじめて富士山が望めた。未だ7合目から上には雪が残り静かなたたず
まいの西湖を隔ててスックと聳えて、やはり富士は高いなと思う。

やっと西湖畔に今朝鈴木さんが送り届けたデリカにたどり着いたのは午後5時15分
になっていた。
山中9時間の行程で、暫くぶりに手応えを感じた山行ではあった。
帰途は「富士吉田のうどん・はなや」に寄るが、営業時間は午後3時までとのこと
でこれは次の機会にということになった。            後藤

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