冷え込んだ宇都宮郊外の低山 古賀志山 十分な展望の山 斎藤

Thu, 14 Jan 1999 00:42:52



     古賀志山の稜線                   遠く雪山を望む                      赤川ダム湖
                                                                                   photo:Osamu Saitou




 日本海側に寒波が到来すると,関東平野には快晴が訪れる。これを逃す手はない。
今日の目的地は,宇都宮郊外の「古賀志山」である。
低山ではあるが岩峰を有し,展望も豊かだと聞いている。3時間強で,下山できるというので行く
機会を待っていた。

 東北道を北上すると,鹿沼に近づくにつれ古賀志山が確認できてくる。
鹿沼ICを降り,右折を繰り返すと駐車場のある「宇都宮森林公園」に着けるはずなのだが,どうも変
なところに行ってしまう。
しばらく工業団地の中を迷走した後,視覚を頼りに目的地に向かう。
どうやら国道293号線にのることはできたものの森林公園への案内が見あたらない。
すぐ横に見えているので左折すると,だんだんそれていく。戻り返し国道を北上すると小さな標識
を発見,目的地に向かうことができた。
我が家を出てから50分で麓についていたが20分程度ロスをしたことになる。

 森林公園には無料の大きな駐車場・便所があり,快適に利用できる(8時前には駐車場のゲートが
閉まっているが道路脇にも30台ほどの駐車場がある)。
簡単な地図はあるが,古賀志山の明瞭な案内図はない。
ここは市民のキャンプ施設やサイクルセンター等があり赤川ダムが作る湖を中心に,こぢんまりとし
た野外活動施設が整備されている。
人造湖には,鴨が多数飛来している。
今朝の冷え込みで空気は澄んでおり,湖の要所要所には氷も張っている。

 ダム湖を沿うように道がつけられており,北上する。
湖の最北に標識とわかりにくい手書きの登山ルートが,掲示されている。
今回は北ルートからの周遊コースをとる予定なので,細野ダムをめざし沢沿いの道を進む。
舗装された快適な道と別れ,沢をわたると北ルートが始まる。
最初は幅も広く歩きやすい道が続く。
途中降雨による土砂の流失があった模様で何箇所か荒れているが,歩くには支障はない。
2箇所ほど手製のベンチや水場も作られているので得られるが,この時期には湧き出ていない。
15分ほど登ると登山道になり,やや急になった道を登らされる。
なぜかトンネル上に樹木がかぶさり,鬱陶しい。次第に樹木が減り,右側に岩稜帯が迫ってくると,
圧迫感から解放された道となる。

 左側に大きな岩が見え,後方に宇都宮方面の展望がででくると,富士見峠である。
あまり見晴らしも良くないので,少し登り東峰の見晴らし台で休憩をとる
枯れた枝越しに,宇都宮方面の展望が開けている。前方には古賀志山が確認できる。
植林帯と自然林の対比を楽しみながら,高度を稼ぐ。
青空の下日差しも差し込み,落ち葉を踏みながらの歩行は楽しい。
程なく分岐があり,右に行くと古賀志山だが,ここは眺望豊かな「見晴らし台」を選択し,左折する。
5分ほどで目の前にすばらしい眺めが開けてくる。

 低山ではあるが多くのガイドブックに紹介されている所以が理解できる。
古賀志山の方に富士山が確認できる。
関東平野から筑波をはじめとして,那須・日光の山並みがパノラマ上に眺められる。
まだ9時であるが,ロング缶に手が伸びている。
快晴の中で,山並みを確認しながらの休憩に満足する。
先ほどの分岐に戻り5分ほど登ると古賀志山山頂である。
なんと携帯電話の巨大なアンテナが設置されており,展望がない上に雰囲気も悪い。
早々に下山路を模索する。

 岩稜帯の下りを植林帯に導かれるように道がつけられ,赤川ダムへ2500Mの標識がある分岐を確
認する。
御岳山が赤城・庚申方面の展望があり快適だというので先を急ぐ。
そこからは下りになるが稜線と離れ,登るような道がない。
よく見ると岩肌に「御岳山山頂」の木製の指示板がある。
岩を登るとロープや鎖場まである多少楽しめる岩稜歩きが待っていた。
最後の鉄製の階段を登ると,広々とした山頂に出る。石製の小さな祠がまつられており,お供え物
もある。

 特に日光方面の先ほどの見晴らし台では,古賀志山に邪魔され見えなかった方向が見事に展開し
ている。
程良い広場もあり「宴席」にはもってこいの場でもある。
展望を楽しんだ後は先ほどの分岐まで戻り,下山を急ぐ。
分岐点からは階段状の整備された道になる。
きちんとした歩幅で着けられており,歩きやすい。
一気に下降すると,舗装道に飛び出す。
ここはサイクルロードになっているらしく,程良い勾配がつけられている。
しばらくサイクルロードを利用し下りると,赤川ダムへ1400Mの標識を登ると再び,登山道となる。

 古賀志山の山並みを確認しながら,ゆったりと下りるようにつけられている。
次第に前方に赤川ダム湖が見え始めると,林道の終点につく。
ここからは舗装道となり,湖に導かれる。
今度は対岸を歩きサイクルセンターを横に見ながらダムの上を歩く。
ダムからは,湖越しに古賀志山の姿が見事に確認できる。
なんと2時間強ですべての行動が完了してしまった。
 これから登る3パーティほどのグループと挨拶しながら,駐車場に着くことができた。
まだ先ほどのビールの余韻が残っている。じっとしていてもしょうがないので,気持ちを落ち着け
ハンドルを握り帰路につく。
自宅に戻り,勤務に出かけなければいけない。
これが多少つらいが,非常に楽しめたひとときであった。

平成11年1月13日(水)   齋藤 修

幸手6:20−加須IC−(東北自動車道)−7:10鹿沼IC−7:30森林公園駐車場7:45−登山口−8:35
富士見峠−8:40見晴台9:05−9:13古賀志山−分岐−9:30御岳山−分岐−赤川ダム湖畔10:10−10:20
駐車場−(一般道)−12:10幸手


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