三俣と平標スキー山行

――一瞬のガス晴れに助かる・橋元武雄

1998年4月11日-12日


1998年4月11日 土曜日
晴れ。
梓。三俣と平標スキー山行。鈴木、大森、中村、橋元。
8時に大森車にピックアップしてもらい、南浦和でチャウを乗せる。
三俣大島の民宿青木に11時前に到着。もう大島部落からのリフトは動いていない。
着替えてゴンドラへ。予想に反して、駐車場はほぼ満杯である。以前ほどではないが、
ゲレンデも結構混雑している。昼食をと思ったが、開いているレストランが少なく、
あちこちを転々として、結局田代のカレー屋でお茶を濁す。西武のやりかたに、非難
ゴウゴウである。久しぶりのうえに、春の雪だから結構こたえた。
下山道を降り、車道を滑って宿まで帰る。

1998年4月12日 日曜日
強風。ときどき日差しのある曇り。
青木のご主人に送ってもらい、元橋バス停より大分先の別荘地の入り口の駐車場より
登山を開始する。積雪の断続する林道をたどり、平標登山口の大きな標識から夏道に
入る。しかし、沢沿いの夏道とはすぐに離れて、東側の尾根をからむようにして登り、
そのまま小屋より大分上部の尾根へ出る(地図で見ると標高差100mほど上)。

山頂へはたどりついたが、強風とガスで、土樽コースどころではない。同じコースを
戻るしかない。山頂は雪がなかったので、少し降りてスキーを履く。視界がないので
目標を右手のブッシュに決め、つねにこれを見るように下ることにしたのだが、これ
が失敗だった。直接に自分たちが登ってきた踏み跡を目標にすべきだった。ブッシュ
沿いに下ると、登ってきた尾根の手前から右手へ派生する尾根へ誘い込まれてしまう
のだ。その尾根へ迷い込んでしばらくして、先行する善さんがルートがおかしいと気
付く。風はますます強まり、ろくに話もできない。尾根がやせ細ってきて左手は谷、
右手はブッシュである。

そうこうするうちに、一瞬ガスがはれ、谷を隔てて左手はるかかなたに尾根が見えた。
登山者のグループも見える。善さんがあれが登ってきた尾根だという。ぼくは失見当
状態ですぐには自分の位置を即断できなかったが、取りあえずまたガスっては大変な
ので、谷をトラバースしてもとの尾根近くへ滑りこむ。谷間に降りると嘘のように風
はない。危機を脱すると急に腹が減る。とうに昼はまわっている。元の尾根の近くま
で辿り着いてやっと遅めの昼食とした。

食後は、ビールとワインでご機嫌。ほろ酔いで沢を下る。ぐさぐさの湿雪の急斜面。
しかも灌木帯である。滑り出したとたんに、あちこちで転倒者続出。こちらもその例
外ではなかった。尾根の側面にあたる片流れの林間斜面は快適とはいえない。下がり
すぎて谷底へ近づくとブッシュが出て、その先から沢音がしている。転倒して沢に落
ちれば一発だ。それに、さっき迷い込んだ尾根には大きな雪庇が張り出していて、い
つこの沢に崩落してきても不思議はない。

谷が広がると、そこはさっき登ってきた踏み跡のある疎林だ。スキーとしては面白く
ないが気楽に林道まで滑る。あとは、雪の着き具合でスキーを脱いだり履いたりして
もときた林道を下る。

今朝、降りた駐車場にある別荘の案内所から電話して、また青木のご主人に迎えても
らい、宿に戻る。大森氏が温泉だというので、三俣の国道沿いにできた新しい温泉、
「街道の湯」へいくが車がびっしりでみるから混んでいそうだ。また17号を引き返
し、田代のゴンドラ乗り場の前にできた、新しい温泉「宿場の湯」に入る。こちらは
対照的に空いている。休憩所も空いていたので、ビールを飲んでしばし休憩。そのま
ま、大森氏の運転でひたすら帰路をたどる。夢の中。

平標の記録(中村)。
8時5分青木屋出発。
8時25分苗場故郷の森(?)出発。
9時45分平標看板登り口。
11時20分平標小屋上。
12時20分(これはあやふや)平標頂上着。滞在5分。
12時45分大休止。
 1時45分出発。
2時45分(さだかでなし)苗場故郷の森にたどり着く。
3時20分お迎えの車到着。

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