会津田代山記録《花紀行》

中村貞子     '86/06/21〜22


メンバー 亀村(CL) 冨山 後藤
       高橋 中村 (関根)

 東北自動車道の両側はトウネズミモチの白い花が満開。栗の木の花も散在。
 猿倉登山口テント場付近では咲き遅れたウワミズザクラ、そして水辺に黄色いオオバミゾホウズキ。山道に入るとラショウモンカズラの紫の花、特徴的な大きな葉っぱに白いかわいい花をたくさんつけたオオカメノキ。ドウダンツツジの咲き残り、ところどころにイワカガミとショウジョウバカマ。
 小田代までの間に何といっても一番楽しかったのはマイズルソウ。尚ヤンの花の形が鶴に似ているからというのはマチガイで、葉っぱがつまり日航のマークみたいな形だから。ゴゼンタチバナもたくさん咲いている。後日花のつくのは六葉あるものという発見がなされた。めだたないけれど可憐なミツバオウレンもひっそりと咲いていた。
 田代の湿原に近づくとワタスゲが木道のわきに優雅な白い帽子を風になびかせ、フデリンドウが小さく顔をのぞかせている。そして何といってもここで一番愛らしいのはヒメシャクナゲ。シャクナゲということばからくるイメージとは全く違ってスズランをピンクにしてうんとちっちゃくしたような本当に愛らしい花である。白い花はチングルマ。
 太師堂から帝釈天山への縦走ルートを少し下るとそこは見事なオサバグサの群落だ。葉っぱはまるでシダの葉だがこれはケシ科。"オサ"とは織物を織るときに使う櫛の形をした道具で、葉をこの(筬)オサに
みたて、オサバグサと呼ぶそうだ(冨成 忠夫:野草ハンドブック・春の花)。ナールホド。
 白い鐘形の花とこの葉が何となく不釣り合いのような気もするが、山道を下ってきてこの群落に出会うとハッとするほどの美しさがある。今まであった花々と較べてこれは背が高くて目立つのだ。八ケ岳に多いと本に書いてあるが、時期もあわないのか八ッでは一度も見たことがない。
 猿倉から湯の花温泉に向かう車道(ほとんど林道)の両脇はタニウツギのピンクとノリウツギの白が対照的に咲き競っていた。そして湯の花温泉を出て走った山道ではエゴノキが2〜3本白い花をたくさんつけていた。
 ちなみに湯の花温泉の共同浴場はバツ!!暗い、きたない、安心して入れない。もう行くのよそうネ。

行程 
6月21日
8:00 蕨駅前集合
12:40 猿倉登山口着
(東北道〜日光有料〜霧降高原
〜田代林道)
13:30 登山口発
14:30 小田代着
15:00 田代山  第一湿原着
15:15 太師堂着
16:00 太師堂発
17:30 猿倉登山口着  幕営
6月22日
湯の花温泉経由にて帰京
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