岩手山

                 亀村 通 '06/07/09

                           Photo by Tohru Kamemura



 高山植物の女王・コマクサ
2006年7月8日(土) 大森武志、亀村 通

先月、皆で姫神山に登った際、山頂から望んだ雄大な岩手山を登ろうと大森さんとその場で約束した。 他に参加者はいないので今回は2名の山行となった。 7月7日午後7時大森さん仙台到着。我が家で例のごとくプチ宴会。11時頃には就寝。

7月8日、寝過ごした。6時起床。昨夜は6時頃に出発すれば8時頃から登り始められるという段取りだ った。洗面だけ済ませ6時20分ヴェルドミール支倉出発。コンビニで朝食と行動食を仕入れ、東北道 を一路北へ。天気はあまりよくない。昨夜の天気予報では岩手内陸は降雨確率午前10%、午後30%だ ったので、すっかり安心していたのに、仙台出発時は淡い霧雨、高速も時々間欠ワイパーを使う程度 の降りだ。それでも岩手県内に入り花巻を過ぎるあたりから雲の合間から日が照りだした。これはい けるぞと期待して走るが、盛岡に近づくと肝心の岩手山だけが雲の中に隠れている。頂上は時折見え るが麓までは厚い雲だ。姫神を始め他の山は望めるのに悔しい。それでも雲の色は白いので、ひどい ことにはならないだろうと楽観する。


 岩手山馬返し

 ヤマオダマキ

8時30分滝沢ICで高速を降り、先月とは逆方向へ岩手山の裾野を登っていく。8時40分馬返着。今日は もっとも代表的な柳沢コースを往復する計画だ。広い駐車場には既に50台以上の車がある。団体を連 れてきたマイクロバスの運転手の話では5時半頃はきれいに晴れ渡って頂上近くの雪渓も見えたとのこ と。今はこれから登る岩手山だけが雲の中といった感じだ。8時50分歩き始める。馬返の標高が650m、 頂上薬師岳が2038mなので1400m弱の標高差だ。始めは樹林帯の整備された道を行く。ヒグラシが啼 いている。程なく旧道と新道の分かれ道となる。前者は露岩帯が多く展望がきく、後者は樹林帯中心。 登りは左側の旧道を選ぶ。1時間ごとに休憩をとる。1回目の休みは下界の牧場などが見渡せるが、こ れから上は雲の中という感じ。頂上で晴れてくれればいい。


 不動平

 お鉢めぐり

 外輪山

 コマクサとキスミレ

標高を稼ぐほどに、植物の種類が増えていく。カラマツソウやハクサンチドリ、ヤマオダマキが多い。 大森さんの今日の狙いは頂上近くのコマクサだ。この時期が盛りのはず。それまでカメラは出さない という。11時五合目1390m,11時26分六合目1560m,11時54分七合目1730m,順調に高度を稼ぐが雲 の中なので下界は見えない。12時15分八合目避難小屋着。百人以上は収容できるであろう立派な避難 小屋だ。ログハウス風のこれまた立派なトイレも隣接している。しゃれたウッドデッキ前の広場には 沢水も水槽の中にふんだんに溜めてある。持参したビールはここで冷やしておいて、帰りにこの広場 で昼食をとることにする。少し遅くなるがこの天気では、頂上は展望も悪く風も強いことは明らかだ。 平坦な不動平を10分ほど行くと左前方に不動小屋が見えてくる。ここも立派な石造りの小屋だ。


 山頂

 記念写真

ここから右に折れて噴火口の外輪山を目指して登る。足元は細かい火山岩のガレで登りにくい。斜面 はキスミレの仲間の群落だ。その中に少しずつコマクサが混じっている。外輪山はお鉢と言われてい て、これの一番高いところが岩手山頂の薬師岳である。13時10分着。頂上は20人以上の人だ。雲が流 れ展望もなく寒いので記念写真だけとってそのままお鉢を一周する。コマクサはそこここに見ること はできるが、株がかたまっているわけでなく、点在しているという感じ、しかも時期が少し早いよう で開いている花が多くはない。一週間ほど早かったようだ。真っ盛りの大群落を期待していた大森さ んは少しがっかりしていた。焼走りコースには大群落があるというので次回のテーマとする。14時10 分八合目の避難小屋に戻る。やっとビールと昼食にありつける。ベンチに陣取り、ロング2本と気仙沼 名産サンマの押し寿司などで優雅に食事。


 

 8合目避難小屋

14時50分八合目避難小屋出発。八合目からは予定通り新道を選んで下る。途中小学校低学年の男の兄 弟二人が駆け下りるようにして追い抜いていく。その母親が子どもをたしなめながら後を追う。しば らくすると立ち止まって菓子など食べたりしているのでこちらが追い抜く、又追いついてくるので先 に行かせる。子どもたちの大きなザックについている熊よけの鈴が騒がしい。途中でゆっくり休んで 間隔を広げることにした。麓に下りるにしたがい雨が降り始めた。馬返につくころはザーザーぶりの 大雨。最後の30分ほどは傘を差しての歩きとなった。朝の1時間の寝坊が悔やまれるが今更しょうが ない。17時08分馬返着。全行程8時間20分(休憩含む)、久しぶりの長時間山行であった。

帰りは滝沢村営相の沢温泉お山の湯という日帰り温泉にゆっくり浸かり(村外者550円なかなか よい風呂であった)、小岩井農場の横を抜けて盛岡インターから仙台に戻った。

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