中村 貞子 '06/08/16 Photo by Takeshi Omori
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イブキトラノオの群落 | |
オオウバユリ |
イブキトラノオ |
8月5日(土)快晴・ルート:南竜ヶ馬場―展望歩道―室堂―御前峰―お池めぐり ―室堂―トンビ岩コース―南竜ヶ馬場今日はいよいよ南竜テント場から室堂、御前峰をめぐるお花の探訪日。人の少なそうな展望 歩道からのルートをたどる。アルプス展望台までのあいだ、白い花で目立つのがイブキトラ ノオ、赤い花で目立つのがカライトソウ、アカバナシモツケソウ、オオノアザミ。アザミの 特定はむずかしいが、すーっと立ち上がっていて上向きに花がついているのが特徴的なので、 オオノアザミとした。
カライトソウ |
アカバナシモツケソウ |
ハクサンチドリに似た花をみつけるが、どうもよくみると違う。ハクサンチドリの花はとん がった印象なのに、これは花の形がまるっこい。 帰ってから南竜のビジターセンターでテガタチドリと判明する。テガタチドリをみかけたの はこのルートでただ一度きり。ハクサンチドリに至っては白山なのにいちどもみつけること がなかった。他の山ではわりとよく見かけるのに。 黄色い花でめだつのはやはりミヤマキンポウゲ。つやつやした花が日に当たってかがやいて いる。ミヤマキンバイも群落をなしている。足下にはコイワカガミが密集し、ヤマハハコが 地味だけどかわいらしい花をつけている。
ミヤマキンポウゲ |
コイワカガミ |
アルプス展望台を過ぎる頃からクルマユリが出現。ミヤマクロユリもそろそろ多めになって くる。クロユリなのに、なんだか黄色っぽいねと話していたのだが、記録を書くにあたって 山渓の図鑑をしらべたら、本州のミヤマクロユリは北海道のものより大きいものが多く、花 がやや黄色を帯びるとある。これで、納得できた。 室堂のあたりはミヤマクロユリが多く、調査のための囲いがあちらこちらにみられた。 ミヤマクロユリは室堂のシンボルか? ハクサンフウロ、ハクサンコザクラは咲いているけど、なぜか色がうすめで、大森さんはフ ォトジェニックでないと、気が乗らない様子。 また、今年はコバイケイソウが極端に咲いていない。大森さんが去年きたときは見事な群落 が満開だったそうだが、室堂の群落でもその中で咲いているのが写真の1本だけであった。 ビジターセンターの指導員のおじさんの説明によると、いちど咲くと2-3年は株に栄養が 行き渡るまで花をつけないそうだ。 平地の花でも蘭などはそういうことがあるから、ましてこの高山で、おおきな花だからつか れてしまうんだね、きっと。
クルマユリ |
ミヤマクロユリ |
ハクサンフウロ |
ハクサンコザクラ |
御前峰頂上の近くでイワツメクサをみつける。白山にはイワツメクサはあるけれど、よく似 たタカネツメクサはないと、これもビジターセンターでおしえてもらった。 混在している山ではどちらがどっちか混乱することが多いが、ここでは至極単純であった。 イワギキョウは多数見られたが、ミヤマリンドウは少なめ。 御前峰頂上近くではチングルマが花をつけているが、少し下ると、花を終え、穂が出現して いるもののまだ開ききらずによじれているものが多かった。 今年は雪が多かったから、す こし花期がずれているのかもしれない。 御前峰からはトンビ岩コースをたどってテント場にもどることにする。 このコースではミヤマコウゾリナやミヤマアキノキリンソウ、オオバミゾホウズキ、キバナ ノコマノツメなど黄色い花がめについたが、ハクサンシャクナゲがひとつだけすでに花期の 最後を迎えていたのを見つけた。
イワツメクサ |
イワギキョウ |
ミヤマリンドウ |
チングルマ |
ミヤマコウゾリナ |
キバナノコマノツメ |
8月6日(日)快晴・ルート:南竜ヶ馬場―油坂の頭―別山―チブリ尾根避難小屋―市ノ瀬昨日のお花畑めぐりでも、ハクサンイチゲに会えなかった。 今日は別山からチブリ尾根経由で市ノ瀬に下るが、別山でハクサンイチゲに会えるらしい。 油坂ではタテヤマウツボグサがでてくる。カライトソウも多くみられる。 タカネマツムシソウも、ここではじめてでてきた。 南竜から2時間ほど歩くと、ハクサンイチゲの群落があらわれてくる。 見事に咲いてはいるけれど、去年行った礼文島のハクサンイチゲの群落のイメージが強烈で、 残念ながら本家の方が負けている。 ツガザクラが何種類か群生しているところで、写真を撮る。 帰ってから図鑑で調べると、アオノツガザクラ、ツガザクラ、そして両者の種間雑種である オオツガザクラの3種類がちょうど同じ場所にあったようだ。 別山ではカライトソウ、ヨツバシオガマが多く見られた。白いトモエシオガマも少ないけれ ど別山ではじめてみつける。
タテヤマウツボグサ |
タカネマツムシソウ |
ハクサンイチゲの群落 | |
ハクサンイチゲ |
アオノツガザクラ |
チブリ尾根の避難小屋から水場のあたりはブナ林をぬけていく。 水場の少し上でソバナ、オオバギボウシの咲いているところをアサギマダラがひらひらと蜜 を求めてこのあたりがお気に入りらしく飛び回っている。 ソバナにとまった蝶をねらって、シャッターを切ったが、疲労のせいか、暗い画面でよく写 っていなかったのが残念。 アサギマダラは登山中よくみかけた。おおきくて優雅な飛行をする蝶である。 黒っぽいアゲハもみたがあれはなんだったろうか。かめちゃんがいればすぐにわかったのだ が・・・
ワレモコウの仲間であるカライトソウは今回の山行で一番印象深い花であった。
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カライトソウ(唐糸草) バラ科 ワレモコウ属 学名:Sanguisorba hakusanensis 夏に枝の先に穂状花序を出します。つぼみの頃は上を向いていますが,先の方から順に開花 しはじめるとだんだんと重くなるので下に垂れ下がるようになります。全体は赤紫色に見え ますが,花びらはなく,萼片が 4 枚,雄しべが萼片より長く突き出すのでこの花糸の色が 目立つのです。和名は,このさまを唐糸に見立てたものです。
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