おおきなザックを背負って夏山にでかけるのは2002年の飯豊以来である。
膝痛や腰痛という爆弾を抱えて、重い荷物を担いでの縦走はもう出来ないと思っていたが、今回はテント場定着なので、初日さえガンバレばなんとかいけるかと思って参加を決めた。
去年は2月に寝返りもうてないくらいの腰痛がおき、6月利尻・礼文にでかけたときはコルセット装着の状態で、空港の検査でひっかかった。しかし、重い荷物を担いでの歩きではなかった。それに2月から続けていた腰痛体操のおかげで少しは改善されつつあった。
今年は朝晩、虚仮の一念で続けていた体操と、さらに去年秋口から再開していたジムでのトレーニングのせいか日常的な腰痛はほとんどきえており、体力的にも少し自信がついていた。5月の八甲田はいままで必ず途中で止らないと降りられなかった高田大岳の斜面をノンストップで滑りきった。
別当出合から南竜ヶ馬場までの登りは真夏の太陽にあぶられ、しかも気温も高い。休みごとの水の補給と、歩きながら呼吸法に気をつけて登ったせいかテント場まであまりザックの重さは気にならなかった。体力を消耗したという状態にもならず、頭痛もおこらず久々に高い山に快適に登れた。
膝にも腰にも、登りはさほどダメージを
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与えない。しかし、最終日の別山から市ノ瀬までのくだりはきびしいものだった。
南竜から別山までの登りはなんということもなかった。別山から見えたチブリ尾根の避難小屋は緩いくだりで指呼の間のようにもみえた。 しかし、近いと見えた小屋は急なくだりで登り返しもあり、コースタイムをオーバーして小屋に着いた頃大森さんは熱中症寸前、金谷さんはばてばて。二人は昼時なのに、水分しか入らない状態。
こちらはめずらしくちゃんと行動食を胃に入れられる体力が残っていたが、すでに膝は急なくだりで悲鳴を上げつつあった。
ここでの大休止のおかげで、次の水場まではわりと皆体力回復し、コースタイム通りに到着。しかし、きのうまでなんともなかった足はふくらはぎと太ももが張りだし、膝はぎしぎしと痛み始めている。水場から林道まで、くだりは整備されて歩きやすい道だったが、私の膝は急な下りよりも、緩い下りに弱い。ももとふくらはぎの筋肉の緊張は緩い坂ほどきつくなる。金谷さんもこの下りで難儀したもようだが、何とか無事に林道にたどり着く。大森さんは金谷さんと田中さんを待ちながら、このコースがきつかったのか、俺が年取ったのか・・・とひとりごちている。林道にでたころはよれよれだったが、疲れた身体にむちうってなんとか市ノ瀬まで太陽にあぶられながら30分ほど歩く。
その日は民宿の階段の上り下りが痛くて一段ずつしかできなかったが、翌日は多少びっこ状態だが普通に上り下りできるようになっていた。
回復も早い。なんだかうれしくなった。日頃のトレーニングというのはやはり、効き目があるのだな。
東京に帰ってきてからも以前なら2-3日は足が痛かったのに、次の日まだ少しふくらはぎの張りが残っていた程度で画期的に元の生活に戻る速度が、ちがう。
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