白山山行記録

                  田中 誠 '06/08/17

                                  Photo by Teiko Nakamura
                                         & Itiro Kanaya



 

 別山への登り

(2006年8月3日〜7日)参加:大森、金谷、中村、田中
平成18年8月3日(木曜日)

午後9時きっかりに大森さんのテラノが南浦和駅前に到着。駅前であまり長く駐車できない ので時間調整していたとのこと。ザックを積み込み早速出発。関越道に入り、藤岡から上信 越道へ、さらに上越JCTで北陸自動車道に入る。深夜のため道は空いており、時折トラック を追い越す程度。途中、小矢部のSAでガソリンを入れたが、一般道のスタンドよりガソリ ン代が5円ほど安かった。あとで知ったのだが、高速道のガソリン代は1ヶ月前の価格だそ うな。この、小矢部JCTからは東海北陸道が分岐しており、東海北陸道経由でも白山に行くこ とができる。帰りはこのルートを採った。 北陸道を金沢西ICで降り、国道157号を約60キロでようやく市ノ瀬到着。時間は午前 3時15分。駐車場に車を入れ隣にテントを設営。途中のコンビニで買ったビールを飲み、 午前4時就寝。

8月4日(金曜日)

5時ころから車の出入りがうるさくて目が覚める。まわりは駐車の車で一杯。急いでテント を撤収して駐車スペースを空ける。市ノ瀬から別当出合まではマイカー進入禁止のため、バ ス利用となる。中村さん持参の朝食をとりシャトルバスに乗り込む。25分で別当出合に到 着。 別当出合からは観光新道、砂防新道の2つのルートがあるが、今回は砂防新道を登ることと する。9時10分、久々の重荷に不安を感じつつ、大きな吊り橋を渡って登山開始。砂防新 道は砂防工事用の歩道としてつけられた道だそうだが、よく整備されており、急登もないの で歩きやすい。ただ、登山客が多く、歩き始めて20分程度は他の登山客との離合、追い越 し等で落ち着いたペースでの登山ができない。緩やかな登りを50分も歩くと、センジュガ ンピの白い花が目に付くようになる。センジュガンピは20年ほど前、田中澄江先生と秩父 の笠取山に登ったとき、初めて名前を教えてもらった花だ。澄江先生はナデシコが好きで、 なかでもセンジュガンピを特に好んでいたようだ。


 市ノ瀬の駐車場

 砂防新道の入口、大きな吊り橋

 中飯場にて

 甚之助避難小屋

9時ちょうどに中飯場に到着。ここには水場やトイレが設置されている。登山道のすぐ上に は工事用の車道が走っており、何台かの工事用車両が駐車していた。中飯場からはやや急傾 斜の登りとなり、亜高山帯の樹林が多くなる。この辺りから金谷さんの足が攣るようになり、 何度か休憩を繰り返す。通り過ぎる登山客にサロメチールのスプレーやクリームを貰って何 とか歩いてもらう。甚之助避難小屋には11時到着、昼食および大休止とする。避難小屋前の ベンチからは別山の眺めがよく大勢の登山客で賑わっていた。


 南竜道はやがて平坦になる

 キャンプ場が見えてきた

 別山方面を望む

 南竜ケ馬場キャンプ場

 ほっと一息、至福のこのひと時

 夕日ははるか、明日の晴天を約束

甚之助避難小屋からしばらく行くと南竜道分岐、さらに室堂に向かうエコーラインとの分岐 点に達する。本日の登りはここまで。ここから南竜ケ馬場のキャンプ場まではゆるやかな下 りとなる。南竜山荘を過ぎ、小さな沢を渡って少し登ったところにキャンプ場がある。午後 1時半キャンプ場到着。キャンプ場は広々としていて眺めもよく炊事場、トイレ、キャビンが あり、貸テントも設営されている。ただ一つの欠点は日陰がないこと。終日、半ズボン、半 袖で歩いた身には陽射しが痛い。そして、日が沈むと気温が下がり、セーターなしでは寒く ていられない。

8月5日(土曜日)

天候は本日も快晴。午前6時半、御前峰を目指し展望歩道を歩き出す。展望歩道は室堂まで2 時間の緩やかな登りで眺望もよく高山植物も豊富な楽しい散歩道という感じ。今回は大森さ ん、金谷さん、中村さん3名がカメラを持参しており、それぞれが盛んにシャッターを切り ながら登るのでゆっくりしたペースの登山となる。日頃、中央線沿線のヤブ山ばかり登って いる私には久々の高山散歩が快適。今年の初めに高尾・陣馬の5万分の1地図に載っている 登山道全コースを歩くことを計画し今、3分の2くらい歩いている。夏場はどのコースもヤ ブばかりで眺望はなく、登山者に全く会わないこともかなりあった。やはり、高山はいい。


 展望歩道からキャンプ場方面を振り返る

 アルプス展望台、後方に別山

 お花畑で写真撮影、後は室堂センター

 前方には御前峰

9時半、室堂センター到着。室堂センターは広大な施設で多くの登山客でごったがえしていた。 ここから登り40分で御前峰のピークとなる。御前峰の登りはほぼ直線のゆるやかな石段が 続く。信仰の山なので誰でも登れるように登山道を整備しているようだ。10時半、御前峰の ピーク到着。360度の大展望、槍・穂の連峰、剣、乗鞍などがよく見えた。残念ながら能登半 島・日本海はかすんでいて確認できなかった。


 青石、天上界と地上の境

 室堂センターもはるか、もうすぐ御前峰

 御前峰、白山比盗_社(しらやまひめ)奥宮

 御前峰頂上

 しばしの休憩、眼下に火口湖を見る

 剣が峰

 槍・穂の連峰、剣、乗鞍など

 お池巡りのコース

御前峰からはお池巡りのコースを辿り再び室堂着(午後1時)。室堂からの下山ルートはいくつ かあるが、今日はトンビ岩コースを下ることにする。このコースは南竜山荘への最短コース だが、花も少なく傾斜も急であまり快適ではない。途中、トンビ岩からキャンプ場が見える が、テントの数が一段と増えている。今日は土曜なので登山客が多くなったのだろう。

南竜山荘には2時半到着。キャンプ場に戻っても日陰もなく暑いので、2階のビジターセンタ ーで休んでいくことにする。このセンターは去年大森さんが雨に降られた時に利用し、対応 がとてもよかったとのこと。大森さんと中村さんは撮影した画像を指導員の人に見てもらい 名前を確認し、金谷さんと私は1階の売店で買った角のポケット瓶を水割りでちびちびと愉し んだ。ようやく涼しくなったのでキャンプ場に戻ってみると昨日とはうってかわって満杯状 態。なんと、我々が設営したテント前の宴会場を他の登山客が占領している。そこで中村さ んの一喝、宴会場を無事奪還することに成功。


 今日は金谷さん快調

 トンビ岩

 トンビ岩からキャンプ場が見える

 快適なビジターセンター
8月6日(日曜日)

午前4時半起床。今日のコースは今回の山行で最大の難関。別山への登り2時間半。別山から チブリ尾根を市ノ瀬まで4時間、高度1500メートルを一気に下らなければならない。 6時10分出発。キャンプ場を北へ向かい、かなり下降する。下り切ったところから油坂のジ グザグの登りが始まる。早朝で気温が低かったためか油坂の頭までは思ったより順調に1時 間で到着。油坂の頭からは一面のお花畑の稜線歩きとなる。


 油坂の登りが待ち受ける

 お花畑の稜線

 みんな荷物を置いて別山往復

 しばし、眺望をほしいままに

 霊峰白山・別山

 チブリ尾根の下降開始

9時、御舎利山着。ここで荷物を下ろし、別山山頂まで往復20分。10時、チブリ尾根の下降 開始。チブリ尾根避難小屋まで急な下降が続く。コースタイムでは1時間の行程だが意外に 時間がかかり11時20分、避難小屋着。この避難小屋は今年改築されたとのこと。ここで大休 止および昼食とする。避難小屋からは緩やかな下りとなり、1時間20分ほどで水場に到着。 ここから1時間歩くと登山道は終わり、20分ほどの林道歩きで市ノ瀬に3時半到着。

市ノ瀬のビジターセンターで今日泊まる民宿を紹介してもらう。センターで渡されたパンフ を見ると白峰温泉にはかなりの数の民宿がある。どれがいいかわからないので掲載順にかた っぱしから電話することにする。最初に名前が載っている「かわおく」という民宿に電話す ると宿泊可とのこと。電話に出た女性の対応が無愛想で気になったが、一応予約する。早速 行ってみると心配が現実に。呼んでもなかなか出てこない、風呂に入れるかどうかもはっき りしない、部屋への案内も遅い。この対応に中村さんはほとんどキレかかっていたが何とか 抑えてもらう。もし、橋元さんや冨山さんが一緒だったらどうなっていたろう。この険悪な 雰囲気を救ったのが大森さん。夕食時、ほとんど口を利かない中年女性を相手に隣りにある 蜂蜜屋のことを聞いたり、この地方の名物らしい「かたどうふ」を褒めたりして、気持ちを なごませた。その甲斐あって、翌朝の出発の際には、あの中年女性が笑顔で送り出してくれ た。


 さようなら白山

 白川郷

 合掌つくり

 これで山旅もおわり
8月7日(月曜日)

今日は、白山スーパー林道を経由し白川郷に寄って帰京することとする。 午前8時民宿出発。国道157号を瀬戸野で右折して白山スーパー林道へ。なんと林道は有料で 3150円もする。途中、いくつかの見事な大滝を眺めながら10時白川郷着。1時間ほど里を散 策し、11時半出発。東海北陸自動車道の白川郷IC手前の蕎麦屋で昼食。12時半出発。東海 北陸自動車道を小矢部まで行き北陸自動車道へ。来る時はわからなかったが北陸自動車道は かなり海岸線の近くを走っており、日本海が間近にみえる。おおむね順調に高速を走り、午 後7時には中浦和駅到着、金谷さんと私はここで下ろしてもらう。

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