リベンジ朝日岳

                  鈴木 善三 '06/08/13

                                  Photo by Zenzo Suzuki



 朝日岳の朝

平成18年8月11日(金曜日)

 会社は盆休みに入るが何処の山に入るか一向に思い浮かばない。去年栂海新道に入ったが朝日岳への登りで疲れきり、其処に雨と雷で朝日小屋には辿り着かなかったリベンジとして朝日岳が思い浮かぶ、10日昼頃荻窪駅で白馬行きの夜行電車の切符が在るか聞くと、まだ在るとのことで購入。

 11時54分の電車は満員だった。去年白馬駅では栂池方面のバスの乗客はいなかったのに今年は20人以上の人が並んでいた。栂池高原ではロープウェーは既に動いていた。栂池ヒュッテで朝食(おにぎり)をすませて出発す。


		
 白馬大池

		

 乗鞍岳、白馬大池と順調に進むが小蓮華岳への登りで今年もつまずく。コースタイムを短縮できず思いの外時間がかかった。また三国境までのコースはコースタイムを大幅にオーバした。三国境を下った辺りからお花畑が広がり眼を楽しませてくれる。今年はマツムシソウが多いように感じた。また去年よりも花の開花が遅く様々な花が色鮮やかなようだ。 去年は、この辺りでザックをおろして休憩したとたんに疲れが出て歩くのが嫌になって動けなくなってしまったことを思い出す。今年は行き交う人が何故か少ない気がする。此所から雪倉避難小屋迄が遠い、去年はもっと近かった気がするがけれど去年の記録を見ると避難小屋通過は去年とまったくの同時刻。去年はあれほど疲れて足が動かなかったのに・・・


		

 小蓮華からの雪倉とその奥朝日

 小蓮華からの白馬岳

 小蓮華からの白馬大池

		

 雪倉山頂も去年と同じ時刻に到着した。去年は足が動かずひたすら一歩一歩と止まらず足を運んだ記憶がよみがえる。しかし雪倉岳山頂の眺望は時々雲が景色を遮るけれど去年は雲の隙間から時々景色を眺めるだけだったのと大違いで展望を楽しませてくれた。 此所から朝日岳登口迄はほぼ下りだけだがとにかく長かった記憶がある。燕岩を過ぎ朝日岳登口分岐に着いた。朝日小屋迄は去年の記憶は地図を見るとどちらを廻っても時間は同じで巻道は荒れていて危険とあった(地図が古かった)ので此所から登り、山頂に着いたときに日は落ちて同時に雨と雷に打たれ身動きできずビバークすることになった。一晩中鳴り続けた雷に覚悟を決めたことだった。


		

 縦走路のマツムシソウ

 ミヤマカラマツ

		

 この分岐にあるキヌガサソウは去年もきれいだったが今年はまた一段ときれいな気がする心を和ませてくれる。途中行き交う人に尋ねたら巻道はしっかりしているとのことだった。分岐の道標には朝日小屋2.7km。山頂1.9km、時間は1:45とある。が道は水平距離は2.7kmどう計算しても一時間もあれば小屋迄着くと計算したが甘かった。途中白馬岳を8時に出たという人が大きなザックを背負いふらふらして歩いている。先に行ってくださいとのことだったがこっちもどうでもよくなって一緒に行くことにした。それにしても遠い、登ったり下ったり登ったり登ったりで朝日小屋に着いたときは時間を見忘れたがとうに6時を廻っていたと思う。 小屋に着いてテントを張るのも面倒になって宿泊を申し込むと女将さんに、こんな時間に着く計画をするのは常識はずれだと叱られた。別に計画をしたわけではないが遅くなった。


		

 朝日岳登口のキヌガサソウ

 サンカヨウ

		

 朝白馬駅で登山届けを出すとき朝日小屋迄行くと言うと朝日小屋迄は行けません白馬山荘にと言う。去年行きましたのでと言うと雨具は持っているか?はい。責任は持ちませんからと脅かされてしまった。 それにしても小屋の女将さんはさっぱりしたいい女将だった。夕食だけお願いして食事をしているとき真っ赤な夕日が落ちていった。この朝日小屋は場所もいいし食事もいい。もっと早く着いてのんびりしたい小屋だった。食事には少しだがお酒も付いている、お酒付きの小屋など聞いたことがない、もちろん自分も初めてだ、それだけで嬉しくなっちゃった。 ところでこの巻道はお花畑が点在している。ハクサンコザクラがあっちこっちで群生している。色は白山にあるコザクラと違い紫色が濃いが小屋の人に確かめるとハクサンコザクラとのことだった。ニッコウキスゲもきれいだった。

平成18年8月12日(土曜日)

 朝4時半過ぎに目を覚ました、テント場のテントはほぼ半分なくなっていた。一緒に小屋に入った人は栂海新道に行くそうだ。起抜けに5時に歩き出す、朝日岳に着く前に1km歩いたところでへばってしまった。起きてから何も腹に収めなかったのが原因だった。持ってきたおむすびと水を飲むがおむすびが喉を通らない、半分のおむすびを食べて朝日岳に着いた。山頂では、あんな狭いところにうずくまっていたのだと去年ビバークしたところが懐かしい。


		

 巻道からの白馬、右の奥に劔が

		

 山頂からは蓮華温泉に向かってひたすら下り。所々に雪渓があり悩まされる。僕はどうも雪渓が苦手で時間がかかる。五輪の森、五輪高原と過ぎ大きな川に出た。ほぼ8割方終わりかな?あと一時間も歩けば蓮華 温泉に着くと思って行き交う人に聞くとまだ半分を過ぎたところだとのことがっかり。それからひと登りあり兵馬の平を過ぎ蓮華温泉に着いて山行を終わる。


		
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