カメラレポート「川喜多農場と海野宿」 '08/08/26

                                Photo by T. Nakamura & F.Gotoh



 手入れの行き届いた蕎麦畑(N) 昨年はこんな様子でした(,07/8/29)


2008年8月22日(金)夕発〜23日(土) 川喜多農場

信州佐久望月の川喜多農場蕎麦畑の作業は「土寄せ」である。 8月2日に蒔いた蕎麦は、暑い夏を、激しい雨と風を乗り越えて順調に生育していた。 土返しと牛糞の肥料散布によって、蕎麦の茎は太くたくましく足を真っ赤にしながら豊饒の秋を 予感させる。 大森さんの呼びかけに梓からの援農隊は冨山、橋元、中村、後藤の4名である。 8月22日(金)の夜も早い時刻に現地には到着した。オーナーの川喜多さんと立川高校OBの川 口さん、目崎さんの3人はすでに夕刻に来ていたようだが、外食に出掛けてお留守であった。 翌23日には「土寄せ」作業だ。「土寄せ」とは雨で流れた土壌を蕎麦がさらに足元をかため成 長するように、根元に寄せてやる作業である。 当然、蕎麦畑には無用の雑草がはびこるが、これも引き抜いて捨てなければならない。 その最たるものが「スベリヒユ」で、草丈は20〜30センチで、茎や葉は全体的に肉質で柔らかく 葉は小さくしゃもじ型、よく枝分かれしている。ここでは当初牛糞が積み上げられていた辺りに 蕎麦を凌駕して密生しているが、牛糞にその種子が入っていて、栄養をたっぷりもらい、がむし ゃらに延びてきたものだろう。 率先して「スベリヒユ」の駆除にあたったのが橋元さん。 大きな廃棄の山がいくつも積み上がったものだ。 「土寄せ」作業は朝から午后1時過ぎまでに仕上がり、遅い昼食を済ませて近隣の春日温泉へ汗 を流しに出掛けた。 夜分の楽しい様子は諸氏の想像の通りであるが、「スベリヒユ」の話題でしばし賑わったのであ った。



(1)「スベリヒユ」滑り莧(実が“ヒユ”の実[蓋果]と似る。葉を親指と人差し指とでつぶすと、

  ぬるりとした葉肉が現れて、指が“滑る草”。インド原産。

(2)薬用効果:生の葉の汁は、いぼとりに効果がある。にきびには葉や茎を煎じた液で洗うとよ

  いし、飲めば利尿、強壮に効く。

(3)食用:庄内地方では茎や葉を乾燥して保存、あぶらげやにんじんと煮て食す。

  別名「すべらん草」といって煮物を受験生に食べさせる。

  沖縄では「ミンブとかー」、実が太い?と言って、ちゃんぷるーとして食す。

  「pourpier」プルピエ(仏)、パリの地下鉄駅イエナ橋近くのマルシェで有名な、野菜造りの

  名人joel thiebault(ジョエル ティエボー)の直営店で売っている。

  この店はパリの星付きシェフ御用達だそうだが、「スベリヒユ」は高級レストランで使われ

  る高級野菜なのである。(もっとも改良された栽培種だろうが)

(4)歳時記、夏の季語:滑歯莧(すべりひゆ)・馬歯莧・五行草・滑莧・いわいずる・すべりりょう・

  ぬめりりょう

     滑莧 これしきの身の おきどころ 清水径子

 川喜多農園のもの(N)

 ティエボーのプルピエ




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2008年8月24日(日) 海野宿


 2階格子は長短2本の組み合わせが美しい「海野格子」
 この元旅籠の家は2階を張り出した出桁造りになっている(G)


外はそぼ降る雨模様、遅い朝食を済ませ、正午頃我々は川喜多さん達と別れて、冨山さんの希 望で北国街道「海野宿」を目指す。重要伝統的建造物群保存地区、である。 寛永2年(1625)北国街道の宿駅として開かれた。町並650b、下って享和年間(1801-4)には 旅籠が23軒、伝馬屋敷が59軒もあって大いに賑わったという。町並みには用水路が流れ、両 の側格子戸の家並みは宿場時代の建物と、養蚕が盛んになった明治以降の建物が混在してよく調 和しながら残されている


柳が植えられ、水路には清らかな水が流れる(N)

 しっとりと落ち着いた町並み(N)

 海野宿の産土神、白鳥神社(N)

 境内には樹齢700年という欅が(N)

 明治のウダツは軒に装飾的意匠の袖卯建(G)

 小屋根は「気抜き」養蚕室換気の施設(G)

終わりに、海野氏の菩提寺「曹洞宗・興善寺」を訪れる。 海野宿からは北方高台にに位置して、見下ろす町並みの向に千曲川が流れていた。 境内を守るかの様な石垣と白塀はあたかも城郭の様である。人影もなくまだ咲き始めのサルスベ リが美しかった。


 瑞泉山興善寺総門(G)

 境内は高台に位置する(G)

 立派な山門(N)

 ほかには人影もない静かな境内(N)
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