戸倉三山を目指すが、戸倉二山 「臼杵山」「市道山」

                  斉藤 修  '04/02/03(山行日平成15年11月)
 たまには個人山行もしてみたみたいもの。関東近辺では,奥多摩・丹沢がポピュラーな所であろう。考えてみれば,埼玉在住の私には「奥武蔵」「秩父」という山域もあるが,ほとんど登り終えている。行ったことがない山に行きたいという気持ちもあるが,なかなか最近は探すのが難しくなってきている。山行記録などをまじめに書くようになったのは最近。若い頃の山登りは,ほとんど記録に無いし,記憶も危なくなっている。
 そこで見つけたのが,「戸倉三山」。武蔵五日市からバス等を使えば比較的登りやすい山である。しかし,ガイドを見る限り眺望・山稜もさほど魅力的な場所なさそうと,敬遠していた。今回意を決して登ってみることにした。
 この山域から,陣馬方面を目指す事も出来るが,ここは三山の名前につられ素直に踏破することを考えてみた。週末の山歩きなので,ホリディ快速を利用する。立川で乗り継ぐことを思えば楽である。前方車両に乗っておけば,奥多摩方面。後部車両に乗っていれば,無条件で武蔵五日駅まて連れて行ってくれる。
 駅からはバスを利用して。元郷という集落まで行く。最初に山の中に入り,「臼杵山」「市道山」「刈寄山」の順に歩くルートを選ぶ。最後刈寄山のピストン(往復)を頑張れば,かなり五日市方面に降りることも出来る。最後は林道歩きを強いられるが,高度差等も考えると良いコース判断した。
 駅を降りるのはいつも通り,中高年の男女ばかり。いつの間にかその中にいても違和感がない年齢にはなっている。加えて今日は団体客が多い。大声で仲間を確認しているグループが多い。従ってバスの整列乗車など二の次,偶然臨時の職員がターミナルにいたので,人員整理が出来ていたが,・・。
 増発便が出たので,座ることが出来た。30分程度の乗車であるが,騒がしいメンバーに固められては困惑する。下車するバス停まで,静かに乗っていくことを決め込む。何度か乗っているバスなんだが,どうも土地勘に乏しい。表示を気にかけながら乗り過ごさないように注意する。数馬方面まで行くので,降りる人は少ないかと思っていれば,結構途中で下車していく。私が元郷に着くころには空席も出始めていた。
 田舎の日用品売り場のような雑貨屋(よろず屋)前にバス停はあった。最初のバスで降りたようなグループが店頭を占拠し,身支度を整えている。バスを降りようという場所にも平然とおり,邪魔である。それだけなら良いが,朝食まで食べている者まで居る。軽率と言うよりも一般常識の問題であろう。
 そのメンバーのおかげで登り口も解らない。案内板に服は掛けてあるし,見えないように前にどんと座っていた。右往左往して登り口を探して居ると,案内板の標注が見えたので,どかしてもらいどうにか判断できた。いやはや困ったもの。バス停横の階段状の小道がスタートである。特に大きな案内板があるわけではないので注意した方がよい。
 畑道のような所を登っていくと小さな堰堤のようなものがあり,それを回り込むように道がつけられている。意外と歩かれていないような道である。冬枯れのこの時期でも踏み跡は細い。暗い植林帯に入る。下草が刈られてはじめているので逆に歩きやすい道となる。
 植林帯独特の薄暗い道を蛇行しながら登っていく。今日はあまり天気が良くない。日差しがないので一層快適感がない。1時間弱の登りで,稜線(はっきりしたものではない)に出る。木々の間から里方面(北側)が見えるがたいしたことはない。歩くだけの運動だったので,一呼吸とる。
 ここからは「テレビアンテナ」という場所をまず目指せばよい。穏やかな稜線(依然として展望はない)をのんびり登る。数回上り下りの後,目の前に突然巨大なアンテナが出現した。NHKの中継局のようであるが,携帯電話等アンテナも同居している。しかし,こういうものは登山道横につけられることが多いが,ここでは堂々と真ん中につけられている。そのおかげで登山道が迂回させられている。不愉快な気持ちとなる。
 多少降りるような道を下り,再び植林帯を歩いていると石で出来た社などが点在している。名前からも察していたが,信仰の山であることは間違いない。歩いているとピークとも思えない場所に標注がある。「臼杵山」山頂のようである。広いが植林に取り囲まれ全く展望も無い。山頂と思えるのは掲示があるだけのもの。標識を変えても全く違和感(特徴のない山頂)がない。
 小腹を満たし出発する。次なる目標は市道山。1時間はかからないはずである。そうは言っても相変わらず変化のない登山道である。このあたりで飽きてきているがどうしようもない。どこにもありそうな道をひたすら登り下りする。途中穏やかなピークのような場所に出る。山頂かと思えば分岐があるだけでそうではないようである。明るいおばさんのグループが楽しそうに食事をしていた。地図で確認すると左に行けばすぐに市道山のようなので,頑張る。
 分岐を左折して,5分程度すると10人程度でいっぱいになりそうな「市道山」山頂に着く。わずかに南方が開けているだけで展望は無い。人が少ないので山頂を占有して昼食にする。天気も悪くなり時々冷たいもの(雨)が落ちてくる。今までが印象が良くないので,縦走を諦めるのには時間がかからなかった。そうなれば撤収。
 先程の分岐まで戻り,数馬のバス道路に出られる降路を選択する。途中で会った壮年男女4人組を抜いて降りていく。最初は多少急であるが,歩きやすい道である。歩かれてない分道幅がなく,木々に捕まりながら降りることが出来る。植林帯の道であることには変わりはない。時々稜線が確認できるが十分なものではない。
 次第に沢の音が感じるようになる。支流のような規模に聞こえ始めれば,道の勾配も緩くなり,下山口が近いことを示唆してくれる。下部に作業小屋(山荘のような佇まいをしている)が見えれば,下山口である。林道反対側に降りるが,立派な鉄製の橋が架けられいるのでそれを利用する。
 林道を20分程度歩るけばバス道路に出られる。沢沿いの道をのんびり降りる。雨も降り始めで来たので歩速を早めながら進む。多少雨足が強くなり始めたころ,バス道路が上部にあることが確認できたので,安心して終演となる。
平成15年11月吉日
東鷲宮−新宿(ホリディー快速)−武蔵五日市−「バス25分」−元郷(バス停)10:00−アンテナ−臼杵山−分岐−市道山−分岐−下山口(林道)−バス停14:00−武蔵五日市−立川−新宿−東鷲宮
たまには気楽な山登りも良いものである。
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