梓 秋の山行 面白山

                   亀村 通 '04/10/25

                             Photo by Toru Kamemura
                                   , Teiko Nakamura
                                   & Fumiaki Gotoh



紅葉し始めた北面白山                   by Nakamura
2004年10月17日 日曜日
快晴。 

さまよえる酔っ払い集団・・・、ずいぶん昔の梓会報に誰かがこんな言い回しをしていた と思うけど、まさしく今回の、いや、今回も梓仙台遠征は、徹頭徹尾酒の飲み場所を探す ことを主目的としたものであったといっても言い過ぎではないだろう。

遠征最終日の10月17日(日)は、宮城山形県境の面白山登山の予定だが、朝の出発時間が少 し遅れた。6月に僕が下見で周回したコースは時間的に難しそうだ。皆もその辺は心得て いて、我が仙台市広瀬町のマンションを出る際は、「それでは面白山方面に出発!」とい う掛け声にあいなった。市営バスで仙台駅までいき、昨日同様駅構内で昼用のおにぎりを 購入したりして、電車の時間までを過ごす。今日は天気がいいので、ビールが温まってし まっては、せっかくの乾杯が台無しになってしまう。ロックアイスを買って、鈴木さんが 持ってきたシュラフにビールとともに包んで保冷しようということになった。すさまじい 執念!しかしながら駅構内のコンビニにはロックアイスが置いてない。「おいカメ、何と しても氷を手に入れよ」との指令のもとに駅近くのコンビニに走ったのであった。

9時35分仙台発の仙山線山形行きは、久しぶりの晴天の日曜とあって紅葉狩りや芋煮会に 繰り出そうとする乗客で相当混み合っている。駅に停車するごとに子供連れを中心とした 客が乗り込んでくる。それが、仙台駅から40分ほどの作並駅(ご存知仙台の奥座敷作並温 泉最寄駅)とその先の奥新川駅でごっそりと降りていった。奥新川駅は広瀬側上流の二口 渓谷の最寄駅なのだ。駅の周りには何もない。降りた全員がこの渓谷のハイキングと芋煮 の客だろう。この駅を発して程なく県境の長いトンネルに入り、これを抜け出てすぐに面 白山高原駅に到着する。ここで我らを含め数組のハイキング客が降車。我ら以外はここか ら紅葉川渓谷を紅葉狩りの連中だ。

面白山高原は駅を背にして南側に広がるスキー場で雪の季節は賑わう。何せ駅前がスキー 場のベースでここからすぐにリフトに乗ってスキーが楽しめる。極端な話、仙台からスキ ーウェアと靴を履いたまま電車に乗ってスキーにいけるというロケーションなのだ。まぁ、 逆にいえば、スキーの季節は電車以外に交通手段がないということにもなるのだが。スキ ー場はそう広いわけではないので、ある程度のレベルのスキーヤーには物足りないだろう が、子供連れや初心者には充分な規模だと思う。僕は2月の休日にお昼から来て2時間ほど 滑って、コースに飽きて夕方仙台に戻った事がある。

歩き始めは10時半を過ぎていた。今乗ってきたJR線の線路を越えて、天童高原へ続く車道 を登り始める。すぐに、かもしかコースという沢通しに面白山頂上に向かう登山口を右手 に見る。昭文社の山地図では、このルートが正式だが暗くてあまり面白い道とは思えない。 そのまま車道をしばらく登ると5分もしないうちに天童高原への登り口が現れる。ここを 登り始める。実は車道も天童高原まで続いているので、木陰越しにそれが時々見えるのだ が車がほとんど通らないので気にならない。


             by Kamemura

             by Nakamura

              by Gotoh

               by Gotoh

いきなりの急登に、とたんに息が上がる。木漏れ日のさす、広くて明るい道だが傾斜が相 当きつい。ふうふうといいながらゆっくりと登る。一人のときは30分程度で天童高原に着 いたのだが、今日は1時間近くかかった。天童高原は今われらが登った尾根から北側、つま りは尾根の南面に広がり、スキー場やキャンプ場がある。時刻は12時近くなってきたが、 ここでの宴会はなんとも安直すぎる。車で入った家族連れたちも多く、いろいろ摩擦も起 きかねない。ここから長名水まではほぼ水平のトラバース道なので先ほどみたいな急登は もうないから、そのまま歩き出す。車が通れそうなほどの広くて明るい道をてくてくと歩 く。この周辺の紅葉は今ひとつといったところ。しかし、木々の間から望まれる面白山 (このあたりの案内板は北面白山となっている)の斜面はまあまあ色づいていて、なかな かきれいだ。


             by Nakamura

              by Gotoh

長名水からは、三沢山経由面白山までの登り道が分岐しているが、コースタイムで山頂ま で1時間20分かかる。今日の時間配分では無理だ。ガイドとしてはせめて、展望の得られる 三沢山までは案内したかったが、すでに誰も登る気はない。すれ違う登山客から広場があ るかなどの情報を仕入れて早速下見にいったりしている。もう全員が宴会モードだ。長名 水の先に続くトラバースルートは面白山の斜面を横断し、長左衛門平まで続くのだが、い けども格好の宴会場が見つからない。トラバース道だから適当な広場はないわけだ。結局 長名水近くまで戻り、多少スペースが確保できる山道両脇に陣取り宴会をはじめることに する。丁度ここは木立が途切れて日もさすし、面白山の展望も良い。


             by Kamemura

              by Gotoh

件の氷で冷やしたビールで早速乾杯。塩竃本社の酒ディスカウントチェーン「やまや」の 500円ワインでいつもどおりの宴会に突入した。いつもどおりのたわいないが楽しいひとと きを過ごす。時々登山客が宴会場の真中を通り過ぎるが、座り込んでいるこちらより歩い ている相手のほうが恐縮して「すいません」などといったりする。

くだりは、もと来た道を戻ることにする。天童高原を過ぎ、急な坂を慎重に下り面白山高 原駅にもうすぐのところで電車の警笛が聞こえた。仙台に帰る電車にタイミングが合わな かったわけだ。今回の仙台遠征は、電車にしろ船にしろみんなタイミングが悪い。しかも ローカル線は1本逃すと大体は1時間程度待つことになる。今回もそうだ。駅近くの日当た りの良い場所を見つけて陣取り、またまたビールを開ける。


              by Gotoh

            by Kamemura

1時間弱、電車に揺られて仙台駅に戻り、さてこれで解散かと思えばそうはいかないいのが 梓の結束の固さであり、なかなかつらいところでもある。ここから先の顛末は、橋元さん のレポートに詳細あるのでそちらを読んでいただくこととしよう。ただ、付け加えて敢え て反論するならば、居酒屋で盛り上がった後、ちゃんと締めのラーメン(しかも紹興酒を 所望し、なければしゃあないとビールを呑ってから)をきっちり食したのだからこれを健 啖といわず何と言おう。

東京に戻る組と別れ、冨山・後藤・亀村はバスでマンションに帰宅。翌日朝までゆっくり と睡眠をとり、週末の疲れを癒したのであった。最後に山行とは関係ないが、この翌日朝、 まず僕の携帯に朝5時半くらいにワンギリの電話が入り、6時過ぎに後藤さんの携帯に同じ くワンギリが入った。送信電話番号はどちらも同じ(後で調べたら岩手県からのものもの)、 もちろん二人とも覚えがない番号だ。こんなことってあるのだろうか、ミステリーである。 どなたかこの訳を知りませんか

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