橋元武雄 2016年4月23日〜30日(前半23日〜26日)




 硫黄岳より 小岳、高田大岳を望む

後藤さんからブログの転載の要望があった。
池田さんは昔から梓には馴染みだし、あとは梓のメンバーだから、
梓向けに内容を修正・補筆することにした。

 アラセブともなると、春スキーどころか明日の成りゆきさえ楽観できないが、今年もなんとか八甲田山 の春スキーを楽しむことができた。雪が少なくて気がもめたが、連休より1週前倒しにしたこともあって、 滑るに大きな支障はなかった。  総括すると、天候にあまり恵まれず8泊したわりには滑り足りなかった。しかし、弘前の花見や十和田 湖の散策などが不足を補って十分のものがあった。昔は珍しくなかったが、今年は酸ヶ湯に投宿した間に 降雪が2日もあったのだ。  ・23日 ロープウェイが強風で停止、スキー場で足慣らし  ・24日 赤倉岳大斜面から箒場岱コース  ・25日 満開の弘前公園で花見  ・26日 八甲田大岳大斜面、硫黄岳南斜面の滑降  ・27日 田茂萢岳南斜面、赤倉岳大斜面から硫黄岳コース  ・28日 降雪で十和田湖・十和田市散策  ・29日 降雪で停滞  ・30日 八甲田温泉コース/蔦温泉散策

マップ

 大森氏は仕事で、カメちゃんも目下就活中でいずれも参加不確定ということで、車がなかった場合のた めに夜行バスを予約しておいた。新幹線だと到着も遅くなるし、新青森駅から青森駅までの移動も面倒だ。 経費節減もあるが、酸ヶ湯の送迎バスは青森駅発だし、自炊のために生鮮食品を調達するには青森駅前の 市場へ寄りたい。結局、大森氏は仕事で不参加、カメちゃんはなんとか途中参加が可能となった。  22日、池田、中村、橋元は東京駅八重洲口発の夜行バスに乗車。23日、予定より1時間も早く6時40分 ころに青森駅に到着した。まず駅前のアウガの地下で朝食を済ませ、通い慣れた青森魚菜センター場外に ある八百屋へ向かった。残念なことに店を閉じたとの張り紙があった。去年寄ったときはチャウの顔を覚 えていて、こういう人がいるから止められないと、ことのほか喜んでくれたのに。隣の八百屋も顔見知り だから、そこで必要なものは賄うことにした。次はホタテ貝の工藤。市場内を回り肉などあれこれを買う。 最後は、湾内の活魚を扱う田中魚店の9時開店を待って、ヒラメ、アブラメ(アイナメ)、タコを仕入れ る。ひさびさにぴちぴちのシャコもあったのでそれもね。  酸ヶ湯の送迎バスは10時15分発で、11時すぎに酸ヶ湯に着く。最近は3時まで入室できないので、狭苦 しい待合室で着替えをして、12時20分の送迎バスでロープウェイへ向かった。しかし、強風で運転中止。 昼飯がまだだったので、ロープウェイの脇にあるスキー場の食堂で空腹を満たす。返りの酸ヶ湯のバスは 4時までないから、足慣らしのためにゲレンデを滑ろうということになった。  ぼくは今年初めてのスキー。ぶっつけで八甲田はいささか無謀であったから、ちょうどよい練習となっ た。しかし、滑れない。板のどこに乗っているのかふらふらして定まらず、ターンするたびに後傾して仰 け反りかえる。こんなことで八甲田の大斜面が滑れるのだろうか。その不安も拭えないまま、リフトに3 回乗ったところで、雨が強くなり打ち止めとなった。

24日 赤倉岳大斜面から箒場岱コース  赤倉岳大斜面を滑る箒場岱コースは八甲田山を代表するツアースキーコースといってよかろう。ここを 滑っておけば八甲田山の春スキーを味わったことになる。池田さんと、まずは箒場にしょうねとうなずき 合う。  ロープウェイ終点から田茂萢、赤倉、大井戸沢のコルと縦走して、コルで板を付け赤倉大斜面の滑降開 始点まで少し戻る。途中からショートカットで開始点へ出ることができるが、高山植物を保護するためこ の経路は取らない。  赤倉大斜面を滑ったあとは雛岳山麓をトラバースしてブナ主体の林間コースを抜けて箒場岱へ出る。今 日は日曜なので春スキーのシャトルバスがあり、箒場岱からロープウェイ山麓駅へ戻ることができる。


 田茂萢岳から望む赤倉岳、井戸岳、八甲田大岳

 田茂萢で板をつけてしばらく滑ったら、あとは板をザックに着けて赤倉岳を縦走する。  大井戸沢のコルで板を着け、赤倉大斜面の滑降開始点まで移動しただけで、今日の雪質が上々であるこ とがわかる。  足慣らしに少し滑って、池田さんは友人から借りてきたニコンで連続写真を撮ると先に滑り降りた。合 図をまって、チャウとぼくが滑った。この写真がなかなかよく撮れている。昨日の不安はどこへやら、な んだか上手くなったような気分になる。


 赤倉岳の大斜面 滑降開始点

 快適そう!!!

 

 一昨年、池田さんが八甲田に行くというので、おもわず便乗させてもらった。やっぱり八甲田はいいな あと、昨年も連休を八甲田で過ごした。そのとき、われながら不思議なことに、以前よりスキーが上手く なっているような気がしたのだ。とにかく滑っているのが楽しい。以前の八甲田でこんなに楽しく滑った ことはなかった。思い込みではない。あとで池田さんから、すごく楽しそうに滑っていると言われたのだ から。歳を取れば何事も劣化するわけだが、わずかに例外があるのかもしれない。


 いやほんとに快適!!!

 

 この日は先行するパーティはなく(赤倉方面はわれわれ以外ほとんど人影がなかった)、ここ数日はま ったくだれも滑っていない赤倉の大斜面。絶好の雪質に恵まれ、これぞ八甲田の春スキーという快適な滑 りを楽しむことができた。


 春スキーとしてはベストの雪質だね

 赤倉の斜面を満喫してから適当な風下を見つけて昼食。天気がよければ雪上のプチ宴会はなんとも言え ない春スキーの楽しみ。八甲田の昼の定番は、池田さんのチャーハンオムスビ。これをつまみに、ビール とワインがすすむ。


 雪上のプチ宴会 ちょっと風があったので木陰を選んだ

 昼食後、飽きるほど長い林間コースを滑って終点箒場岱に出る。積雪はたしかに少なく、コースの後半 は沢が多く出て、連休本番にはブッシュにも悩まされそうだ。  それでも箒場まで板を着けたまま滑ってたどり着くことができた。シャトルバスの時刻まで又兵衛の茶 屋で時間をつぶす。ここのご主人が話し好きで、しばし話し込む。「お互いに元気でまた来年」の言葉に 送られてシャトルバスに乗った。


 箒場岱

 元気なご主人の居る休憩所

 箒場からシャトルバスでロープウェイ山麓駅へ戻ったが、酸ヶ湯の送迎バスまでたっぷり時間があった。 昨日買ったロープウェイの回数券が大半残っていたので消化した。


 ロープウェイ脇のスキー場にて

 ゲレンデは滑りにくい

25日 満開の弘前公園で花見  今日は快晴。池田さんは膝、チャウは腰が不調のようだ。こちらもどうしても滑りたいわけではない。 それではと、いつもなら悪天で滑れないときにしか行ったことのない弘前城趾へ行ってみることになった。 桜が見頃なはずだ。  この判断は正解で、まさに匂うがごとき弘前の春を満喫できた。弘前の桜は何度見たことか知れないが、 なかでも最高のタイミングであった。


 弘前駅

 健在 冨山さんしか読めない看板

 ただし、ぼくのほうはいささか不調で、送迎バスの下りでぼんやり車酔い。青森から弘前までのJRが混 雑して車内のむっとした空気で悪心がつのり、弘前駅のホームの雑踏で止めをさされた。駅近くの薬局で 車酔いの常用薬アネロンを買ったが、水がないのですぐには飲めない。症状は容赦なく悪化した。


 弘前城趾の桜満開
 
 
 
 

 天守閣は石垣修理のため移動していた

 陸奥の富士 岩木山

 池田さんとチャウが天守閣の桜を遊覧するあいだ、ぼくは起きていられなくて、ずーっと安静。城趾に 入ってすぐに水飲み場があったので飲んだ薬が効くのを待った。


 ひたすら安静

 30分ほども横になっていただろうか。薬効が現れてようやく立ち上がることができた。ころは昼時。い つもの屋台へそろりそろりと移動する。


 行きつけの屋台は、蓮池のほとり、本丸を見上げる位置にある「とらや」だ。とくに理由はない。寅さ んと関係があるか訊いたこともない。弘前城趾を散策するときはここに立ち寄り、軽く一杯がならいとな っている。  おそるおそるビールをすすり、やがて酒に手を出す。なんとか復調。さっきまでの青息吐息はなんだっ たのかと言われそうだが、青森の「鮨処はせ川」へ予約を入れる。


 行きつけの屋台

 部位不明の焼き鳥

 弘前で観桜のしめは青森の鮨処はせ川。あいかわらずきちんと仕事のしてあるネタの鮨を楽しむ。その ころは車酔いが酒の酔いに紛れて絶好調。われながら酩酊顔を撮られてしまった。2合徳利3本目、チャ ウに最後は1合にしたらと、たしなめられているところ?


 長谷川君

 ご酩酊?

26日 八甲田大岳大斜面、硫黄岳南斜面  今日のコースは、ロープウェイ山頂駅から田茂萢、赤倉、大井戸沢のコルと縦走して、大井戸沢の東面 をトラバースして井戸と大岳のコルへ抜ける。そこから大岳を登り詰めて、大岳大斜面を滑降する。  酸ヶ湯の送迎バスに乗ったのはわれわれ3人だけ。9時始発のロープウェイ駅も閑散としている。まだ 連休前とはいえ、改札口で1時間や2時間は列ぶのが普通だったころを知っているわれわれには、嬉しい ような淋しいような。ロープウェイの臨時便が出ていない朝というのは憶えがない。


 閑散とした待合室 平日はロープウェーの臨時便もない

 前半は箒場岱コースと同じ縦走路を歩き大井戸のコルへ


 大井戸沢のコル 高田大岳と小岳

 大井戸沢のコルから大井戸沢を少し滑って、あとはハイマツに沿って井戸岳の東面をトラバースする。 大岳の避難小屋の下部まで滑り、大岳循環ルートと交差するあたりから、大岳の雪面を登る。


 八甲田大岳の登高

  同じ方向を目指すガイドツアーに遭遇

 ガイドツアーとぶつかっては面倒なので先行して大岳大斜面を滑降した。今日は、雨の流水でできた雪 面の凹凸が硬く快適な滑りとはならなかっった。


 背後は滑り降りた大岳大斜面 仙人岱ヒュッテを目指す

 仙人岱ヒュッテ(写真は27日)

 仙人岱ヒュッテは青森県の建てた避難小屋だ。地元のボランティアによって整然と管理され、ここちのよ い休み場所となっている。われわれもよくやっかいになる小屋だ。


 靴を脱いでプチ宴会

 酸ヶ湯のガイドツアーもやってきた

 はじめはわれわれだけだったが、やがて酸ヶ湯のツアーもやってきて賑やかになった。  古いなじみの酸ヶ湯のガイド其田さんが「隊長」で、コースの情報を訊くことができた。それによると、 われわれが予定していた小岳大斜面はクレバスが多く出て滑りにくく、下部はすでにブッシュがうるさく なっているという。  そこで予定を変更し、硫黄岳を登って南斜面を滑降し、西面を回り込んで地獄沢へ出ることにした。地 獄沢から大岳循環コースに合流すれば、たらたら滑って酸ヶ湯へ戻ることができる。このコースなら帰り のバスを心配する必要がない。


 硫黄岳の登高

 硫黄岳の稜線

 硫黄岳より 小岳、高田大岳

 硫黄岳 滑降開始点 南八甲田の猿倉岳から櫛岳へ続く山並が見える

 硫黄の滑降は適当なところで切り上げて、西面のトラバースに移る。なるべく高度を下げないようにし て、地獄沢に出る手前で硫黄岳コースに合流するのがポイント。今回はどんぴしゃで地獄沢へ出る直前で 硫黄岳ルートへ出た。  地獄沢を越えて大岳循環コースに合流したところで休憩。


 まだ日は高い

 のんびり休憩

 はい、無事に酸ヶ湯に帰着。


 

 お疲れ

 カメちゃんから8時頃に到着予定と連絡があったが、ほぼ予定通りに到着しにぎやかになった。就活も 上手くいったようで目出度し。

後半へ

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