亀村 通 '09/9/9

                                     Photo by Tohru Kamemura



 静かな山里・おおぴっかりやま

2009年9月6日(日曜日)
妻と二人で安倍川上流梅ヶ島温泉近くのおおぴっかりやまに登ってきた。




 「おおぴっかりやま」と読むそうな。確かに山頂の標識にローマ字でそうルビがふられていた。 日曜日家人とともに7時に家をでて、妙見下7時10分発の梅ヶ島行き、しずてつバスに乗車する。 1時間半バスに揺られ、終点梅ヶ島から五つほど手前の草木というバス停で下車。 沢伝いに歩き始める。人家と茶畑を抜け、車道が山道に変わり、程なく沢を渡渉して桧林の登り 道に取り付く。丁寧に植林されていて、歩きにくい道ではないが延々と続きそうな急斜面のつづ ら道で、息を整えながらゆっくり登る。



 高度を上げるにつれ、樹林の薄暗さがだんだんと明るくなり、造林小屋を過ぎたあたりから、 良く手入れされた桧の中にブナの木が雑じる気持ちのよい山歩きとなった。尾根道となってから は熊笹をきれいに刈り込んで歩きやすい。12時ジャストに大光山頂着。登り3時間20分であった。



 いつものように隠し持ったロング缶で乾杯。山頂の少し手前がもっとも展望がよい稜線であっ たが、この日唯一行き交った単独行者に占領されていた。横にはマウンテンバイク。とても普通 にまたいで漕げるような道ではないから、エッサエッサと担ぎ上げたのだろう。さすがに僕はそ こまでやらない(オフロードの峠越え止まり)。魚肉ソーセージにコンビニおにぎりの昼食だが、 さっきから休む都度小バエがうるさくまとわりつくのでかなわない。ランチタイム30分で歩き始 める。





 それにしても奇妙な大木があちこちにある山だ。グリム童話に出てきそうな意思を持っていそ うな木ばかりだ。稜線を北上し、奥大光山先のブナの巨木を目印に左折、三河内の集落に向かっ て下り始める。ここからの下りがなかなか大変だった。結構しょっぱい急斜面の痩せ尾根で、工 事現場のトラ模様のロープが要所要所に張られている。このロープに頼らないとちょっと下りる ことができない。まだかまだかと下るうちに往きとは逆に少しずつ薄暗い樹林帯となり、安倍の 大滝への分岐点に降り立った。

 下るにつれ滝の音も大きくなっている。5分ほど沢を上に伝えば滝に出る。ここまで来たら覗く に限るだろう。バテバテの家人がよろよろとついて来る。彼女はよもや寄るとは思わなかったよ うだが、なかなか一見の価値ありの勇壮な大瀑布であった。



 バスの時刻表からするとひとつバス停を歩いて市営黄金の湯につかる時間は、残念ながらなさ そうだ。ここは昨年の八紘嶺の帰りに寄ったり、6月には自転車漕いで浸かりに来たりと、僕のお 気に入りのなかなかグッドな温泉だが、バス1本逃すと2時間は足止めをくらうのでしょうがない。 15時30分安部の大滝入口バス停着。15時52分発のしずてつバスで帰途につく(本日はそこそこ混 んでいた)。バスの中で、我ら二人は気絶状態で眠りこけていたので周囲の乗客は異様に感じた だろう。

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